生理前のイライラや体の不調(PMS)にもおすすめのアロマテラピー
アロマセラピーで使用する精油は、植物から抽出したオイルです。それぞれの植物が持つ成分によって、体・心に作用して、精神的にも身体的にも健康な状態へ導いてくれます。
今回は、女性にとっては憂鬱になる月経前の不快な症状を緩和するおすすめの精油をご紹介します。
生理前の不快な症状(PMS)
私の場合、月経予定日の2週間前くらいから、肩こりや腹部の膨張感、寝つきが悪いなどの不快な症状が現れ始めます。
個人差がありますが、2~1週間前くらいから、こうした不快な症状に悩まされるのが一般的です。人によっては、生理が始まってからも続きます。
月経前の不快な症状を月経前症候群(PMS)といい、婦人科での治療としては、低用量ピルや漢方薬が処方されます。薬局でも、漢方薬やプレフェミンというお薬を購入することができます。
では、月経前症候群の特長はどんな症状なのでしょうか?
身体的な月経前症候群の症状
精神的な月経前症候群の症状
月経前のお肌の状態
月経前症候群(PMS)の原因
月経前症候群(PMS)の原因は、女性ホルモンが関わっています。
女性ホルモンには、エストロゲンとプロゲステロンがあります。
- エストロゲン:肌や髪にツヤを与える、前向きで明るい気持ちになる
- プロゲステロン:イライラしやすい、肌の調子が悪くなる
月経前の黄体期に分泌されるのが「プロゲステロン」で、黄体ホルモンとも言います。月経前に、このプロゲステロンが分泌されるため、月経前症候群の症状が出やすくなります。
ただ、プロゲステロンが活発に分泌されても、脳からの指令によって、過剰な分泌は抑えられるのですが、女性ホルモンのバランスが崩れていると、脳からの指令が行き届かなくなります。
女性ホルモンバランスが乱れる原因は?
女性ホルモンバランスが乱れる原因として、下記のようなことが考えられます。
女性ホルモンはとてもデリケートなので、ちょっとしたことで、すぐにバランスが乱れてしまいます。生活のリズムが変わっただけでも、月経が遅れるなどの経験をしたことがあるという方も多いと思います。
そのため、ご自分ではたいしたことがないと思っていても、意外と女性ホルモンには影響を及ぼしているかもしれないのです。
女性ホルモンのバランスを整えるアロマ精油
アロマ精油には、女性ホルモン調節作用のある精油があり、月経前症候群(PMS)の不快な症状を緩和してくれるのに役立ちます。
クラリーセージ
女性ホルモン調節作用があります。冷え性やほてり、月経周期の乱れなどにおすすめ。鎮痛作用もあるので、月経痛に悩んでいる方にもおすすめです。
ローズ
精神をリラックスさせる効果があり、イライラや緊張、不安があるときに、幸せな気持ちにさせてくれます。
ゼラニウム
女性ホルモン調節作用があります。抗うつ作用もあるので、月経前後に元気がなくなる方にもおすすめです。
出産後の乳房の張りや痛みの緩和にも使われる精油です。
イランイラン
女性ホルモン調節作用があります。不安や緊張感を和らげてくれる効果があります。
月経前症候群(PMS)の症状別に組み合わせるといい精油
アロマ精油は、数種類ブレンドすることで、相乗効果を発揮します。女性ホルモン調整作用のある精油と組み合わせて、より不快な症状を緩和してみましょう。
むくみにおすすめの精油
月経前は、水分を溜め込みやすいため、むくみやすくなります。むくみで足がだるい、顔がむくんで憂鬱…という、こんな方には、サイプレスやジュニパーベリーがおすすめです。
サイプレスは血流をよくしてくれますし、ジュニパーベリーは利尿作用があり、むくみ緩和には最強の組み合わせです。
肩こりや首のコリ
月経前は、むくみやすくなったり、便秘になりがちだったり、全体的に血液循環が悪くなります。そのため、肩や首が凝りやすくなります。
ひどくなると、頭痛で悩まされることも。
そんな症状には、筋肉疲労を和らげてくれるローズマリー、リラックスさせることで血流を促すラベンダーがおすすめです。
ニキビケア
生理前にできやすいニキビ。女性ホルモンバランスの乱れにより、皮脂分泌量が増えるためです。
こんなときに使えるのは、ティートリーやラベンダーです。殺菌効果があるので、敏感肌でなければ、原液でニキビに直接塗布することで、悪化を防ぐことができます。
不安・不眠・緊張に
月経前、不安を感じやすくなったり、緊張しやすくなったり、寝つきが悪い、何度も起きてしまうなどの睡眠に関する問題に悩まされる方も多いですね。
そんなときは、オレンジの精油がおすすめ。リラックス効果があり、幸せな気分にさせてくれます。
ただ、光毒性があるので、日中の使用は避けて、芳香浴で取り入れるのがおすすめです。
肌が敏感になり肌荒れしやすい
月経前は、お肌が敏感になる方も多いと思います。いつも使っている化粧品がヒリヒリしてしまうという経験もされている方、多いですよね。
そんな肌におすすめなのがローズやラベンダーです。抗炎症作用があり、肌荒れを防いでくれる効果があります。鎮静作用やリラックス効果もあるので、ストレスによる肌トラブルを防ぐこともできます。
アロマセラピーを月経前症候群緩和のために取り入れるには?
アロマセラピーをホームケアとして取り入れるには、下記にような方法があります。
芳香浴
ディフューザーで精油を焚いて、芳香成分を鼻から取り入れます。ロウソクを使うディフューザーは、高温の熱が香り成分を壊してしまうので、それ以外のディフューザーを使いましょう。
また、外出先であれば、ハンカチなどに数滴垂らして、直接肌に触れないように香りを嗅ぎましょう。
入浴や足浴
お風呂や足湯に数滴垂らすことで、香り成分を取り込むことができます。
キャリアオイルで希釈してマッサージ
ホホバオイルやスィートアーモンドオイルなどのキャリアオイル10mlに対して1~2滴ほどブレンドして、足や腕をマッサージします。
香り成分を取り込むだけでなく、皮膚から経皮吸収させて、よりアロマ精油の効果を実感しやすくなります。
キャリアオイルは、必ず植物性のものを使用してください。「キャリア(運ぶ)」というくらいなので、精油成分を皮膚から浸透させることができます。
石油由来のミネラルオイルなどは、肌表面に留まるだけなので、効果はありません。
サロンでおすすめのメニュー
当サロンでは、その日のお疲れや気分に合わせた精油をブレンドして、全身のトリートメントをするコース「ローマの休日」がございます。
月経前症候群の症状が気になったり、これってそうかも?ということは、カウンセリング時にセラピストに相談してくださいませ。
プロの手にゆだねることで、リラックス効果が高まり、次の月経はもちろん、定期的なトリートメントで、次の次の月経も楽に過ごせるようになりますよ。
最後に
ストレスが溜まったり、寝不足になることが多い女性は、ホルモンバランスを崩しやすく、月経前症候群の症状がひどくなる傾向にあります。
40代、50代になるにつれて、次は更年期障害の症状がひどくなることもあります。
アロマ精油と人の手によるトリートメントは、自律神経のバランスを整えるとともに、女性ホルモンのバランスも整える効果が高まります。
毎日忙しくされている女性にこそ受けてほしい施術です。