アロマテラピーの効果とは?心・体・肌を元気にするホリスティックケア
癒し効果が高いアロマセラピー。香りを楽しんでいる方も多いと思います。
しかし、癒し効果だけではないのが、アロマセラピーのすごいところ。ここでは、アロマセラピーがいったいどういうものなのか?また、癒しだけでない、さまざまな効果や生活に取り入れる方法などをご紹介しています。
アロマセラピーとは?
花や葉、木、フルーツといった植物から抽出した香り成分を「精油(エッセンシャルオイル)」と言います。
その精油を使った自然療法のことを「アロマセラピー」と言います。
アロマセラピーの定義
アロマセラピー公益法人の「AEAJ」は、アロマセラピーを下記のように定義づけしています。アロマテラピーは、植物から抽出した香り成分である「精油(エッセンシャルオイル)」を使って、美と健康に役立てていく自然療法です。
アロマテラピーの目的
- 心と身体のリラックスやリフレッシュを促す
- 心と身体の健康を保ち、豊かな毎日を過ごす
- 心と身体のバランスを整え、本来の美しさを引き出す
引用元:AEAJ「アロマテラピーとは」
アロマセラピーの効果とは?
癒し目的で使われることの多いアロマセラピーですが、現在は、医療機関でも取り入れられていて、さまざまな効果が期待できます。
精油の成分が体内で作用する
精油は、芳香分子という物質で構成されています。香りを嗅いだり、肌に塗ることで、芳香分子が体内に吸収されます。
吸収された芳香分子は、血液の中に入って、体中をめぐり、臓器や期間などの細胞に作用します。
図表引用元:医師が認めたアロマセラピーの効力 カワバタクリニック院長 川端一永著
気分を落ち着かせたり、元気にさせてくれるなど、精神的な作用はもちろんですが、炎症を抑える抗炎症作用、血流を促す血行促進作用など、肌や体にも作用してくれるのです。
アロマセラピーは、心、体、肌に作用する、まさにホリスティック(全体的)なケアができる自然療法なのです。
アロマセラピーを生活の中に取り入れる方法
あまり難しく考えず、まずは好きな香りのものを揃えてみるとか、悩みに合った精油を取り入れてみるなどして、生活の中で使ってみましょう。・
①芳香浴
香りを鼻から吸い込む方法です。
部屋全体に精油成分を拡散させるなら「ディフューザー」がおすすめです。ただし、ロウソクを使うアロマポットは、高温で芳香成分が壊されますし、火災の原因になるので避けてください。
もっと手軽に芳香浴を取り入れるなら、ハンカチなどに数滴垂らしたり、精油を入れることができるネックレスなどもあります。
②入浴剤
お風呂に入るときに、数滴垂らして、入浴剤のように使います。天然塩と混ぜると、バスソルトになります。
柑橘系は、肌がピリピリするので入れすぎには注意しましょう。
③マッサージ
ホホバオイルやオリーブオイル、スィートアーモンドオイルなど、植物油で希釈して、体やお顔をマッサージします。
10mlに1~3滴の割合で希釈します。顔に使う場合や肌がデリケートな場合は、薄くしましょう。
④ワセリンに混ぜる
ワセリンは石油系の保湿剤ですが、皮膚を保護するのにおすすめです。薬局で安価で購入できます。
お肌の悩みに合わせた精油を約10gに1~2滴ほど入れて、かき混ぜるだけで、アロマ精油の軟膏ができます。
花粉症の時期であれば、鼻の穴に塗って「鼻マスク」として使うこともできます。
⑤湿布
水やぬるま湯に精油を垂らして、タオルやガーゼにしみ込ませたものを、肩こりや筋肉痛、生理痛など気になる箇所に置きます。目の疲れにもおすすめです。
お悩み別おすすめアロマ精油
それでは、お悩み別、シーン別におすすめの主なアロマ精油をご紹介していきますね。
気分が憂鬱で元気を出したいとき
抗うつ作用など、気分をリフレッシュさせてくれる精油がおすすめです。
ストレスが溜まってリラックスしたいとき
気持ちを落ち着かせてくれる鎮痛作用のある精油がおすすめです。
不安や緊張を和らげたいとき
不安や緊張を和らげる鎮静作用のある精油がおすすめです。
眠れないとき
気分を静めてくれる鎮静作用のある精油がおすすめです。
眠気を覚ましたいとき
リフレッシュできる効果のある精油がおすすめです。
集中力を高めたいとき
脳の働きを活発にするよう働きかける精油がおすすめです。
運動後の筋肉疲労を翌日に残したくないとき
血流を促し早く乳酸を排出するために血行促進作用や疲労回復作用のある精油がおすすめです。
立ち仕事や歩きすぎで足がむくんでいるとき
血液循環やリンパの流れを促進してくれる、また、利尿作用のある精油がおすすめです。
肩や首のコリがひどいとき
筋肉を緩めたり、血行を促進させる作用、また、ストレスが溜まっているときの肩こりならリラックス(鎮静)作用のある精油がおすすめです。
頭痛がするとき
痛みを和らげてくれる鎮痛作用のある精油がおすすめです。
生理前後や更年期の不快な症状
女性ホルモンを調節する作用のある精油がおすすめです。
目が疲れているとき
鎮静作用や血行促進作用のある精油がおすすめです。
花粉症で鼻がグシュグシュするとき
粘膜の炎症を和らげる精油がおすすめです。スーッとする清涼感のある香りも気持ちよくなります。
風邪やインフルエンザが流行っているときの予防
ウィルスなどの菌を退治してくれる殺菌作用のある精油がおすすめです。
やけどやケガなどで炎症を起こしているとき
炎症を抑えてくれる抗炎症作用のある精油がおすすめです。
乾燥で肌がカサカサのとき
皮膚の代謝や細胞を生まれ変わりを促進させる作用のある精油がおすすめです。
肌荒れで肌がかゆいとき
抗炎症作用や抗アレルギー作用のある精油がおすすめです。
ニキビができているとき
殺菌作用や抗炎症作用のある精油がおすすめです。
日焼け後のヒリヒリ
ほてりを抑えてくれる鎮静作用のある精油がおすすめです。
アロマ精油の選び方
心・体・肌にさまざまな効果をもたらしてくれる精油ですが、この効果は「芳香分子」が含まれているからこそです。
人工的に作られた香料には、芳香分子がないだけでなく、香害といって、頭痛やめまい、吐き気など、現代社会において問題視されています。
雑貨屋などで「芳香浴」目的で販売されているものは要注意です。アロマ精油を選ぶときのポイントを押さえておきましょう。
- 植物名と学名が記載されている
- 抽出部位が明記されている
- 品質管理が徹底されている
- 含有成分が明記されている
最近は、専門のショップもありますし、インターネットでの購入も可能です。どこのメーカーがいいか、分からないときは、メーカーに問い合わせしてみるのもいいでしょう。
アロマ精油を使うときの注意
使い方さえ分かれば、すぐにでも生活に取り入れることができるアロマセラピーですが、いくつか注意点があります。
肌に塗るときは必ず希釈して使用
精油は、原液で肌に塗ると刺激が強いものがほとんどです。肌に塗るときは、必ずキャリアオイルで薄めて使用しましょう。
ラベンダーやティートリーは、炎症を起こしている部分に原液で塗布できますが、肌が弱い人は、必ずパッチテストを行ってから使用しましょう。
柑橘系は日中使用しない
柑橘系には光毒性があります。柑橘系の精油を塗った肌に紫外線が当たると、炎症を起こすなどの肌トラブルを引き起こします。
そのため、柑橘系の使用については、夜のみがおすすめです。
※市販の化粧品に使用されている場合、光毒性のある成分を取り除いていることがあります。日中の使用は止められていないか注意書きを読むか、メーカーに問い合わせしてみましょう。
妊娠中の使用について
精油には、通経作用など、陣痛を促す作用のある精油があります。妊娠初期や中期での使用には注意が必要です。
ラベンダー、ティートリー、イランイラン、カモミールローマン、ゼラニウム、ネロリ、ペパーミント、ローズオットー、ローズウッド、レモングラス、サイプレス、オレンジスイート、ベルガモット、グレープフルーツ、ライム
※柑橘系は光毒性があるため、日中の使用は避けましょう。
保管方法・使用期限について
精油は、高温多湿を避けた場所で保管し、開封後は、フタをきちんと閉めるようにしましょう。
開封後、酸化は進みますので、柑橘系なら約半年、そのほかの精油でも1年ほどで使いきるようにしましょう。古くなった精油は、肌に使わず、掃除などに利用できます。
最後に
アロマセラピーが初めてという方にぜひおすすめしたいのが「ラベンダー」です。一家に1本常備しておくと、風邪予防、ケガややけど、虫刺されにさっと使うことができます。
咳を静めてくれる効果もあり、子供が小さいとき、ワセリンに混ぜて、胸部をマッサージしてあげると咳が治まって眠りにつけたといったこともありましたので、子育て中にも活躍できる精油です。
医師が認めたアロマセラピーの効力 カワバタクリニック院長 川端一永著
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