尾崎まり江
今回は、日焼け止めの選び方を紹介します。
日常〜レジャーなど、シーン別にどのくらいのSPF値を目安に選べばいいか?
SPFやPAについても解説していますので、日焼け止め選びの参考にしてくださいね。
紫外線の種類と肌へのダメージ
紫外線には、下記の3つの種類があり、それぞれ特徴が異なります。
《UV-A波》
UV-A波は、全紫外線の95%を占めている紫外線です。
波長が長いのが特徴で、肌の奥、真皮層まで届いて、エラスチン線維やコラーゲン繊維を変性させてしまいます。
シワやたるみの原因の原因にもなっている紫外線です。
1年の間で4~9月が強い時期ですが、10月~の秋冬でもあまり弱くはなりません。そのため、1年中気をつけなければならない紫外線の種類です。
《UV-B波》
UV-B波は、肌の奥まで届かないものの、エネルギーが強く、表皮に強いダメージを与えます。
そのため、日焼けや皮膚がん、シミの原因になる紫外線です。1年の間で7~8月の間が特に強くなります。
《UV-C波》
UV-C波は、ほとんど地球には届かない紫外線でなので、特に心配することはありません。
※最近は、紫外線以外にも、スマホやパソコンから発せられている「ブルーライト」も老化の原因と考えられています。そのため、ブルーライトをカットしてくれる成分配合のファンデーションや化粧下地も販売されています。別の記事でまとめていますので、参考にしてください。
PC・スマホのブルーライトから肌を守るファンデ・下地・日焼け止め10選日焼け止めの「SPF」と「PA」について
では、日焼け止めに表示されている「SPF」と「PA」について解説していきましょう。
《SPF値(sun Protection Factor)について》
SPF値は「Sun Protection Factor」の略で、UV-B波を防止する数値です。
「赤くなってヒリヒリする(サンバーン)」のを防止する効果を表しています。数値が高いほど、サンバーンの防止効果も高くなります。
日焼け止めなどの紫外線対策なしで、真夏の海辺にいた場合、一般的な普通肌の人で約25分でヒリヒリした日焼けを起こすと言われています。
色白で赤くなるのが早いという人で約20分、色黒の人で約30分と言われています。この時間にSPF値をかけると、この赤くヒリヒリするまでの時間が算出できます。
例えば、一般的な普通肌の場合、
25分×SPF30=750分=12時間30分
12時間半、赤くなるのを防ぐことができるという目安になります。
《PA(Protection Grade of UV-A)について》
PAとは「Protection Grade of UV-A」の略で、UV-A波の防止効果を表したものです。
これはUV-A波を浴びた後、2~24時間の間に生じる皮膚の即時黒化(短時間で皮膚が黒くなる反応)を指標にしたものです。
UVAPF(UVA Protection Factor of Product)という、
製品を塗った皮膚がすぐに黒くなる紫外線A波の量÷製品を塗らない皮膚がすぐ黒くなる紫外線A波の量
この数値を元にPA+++などで表しています。「+」の数が多いほどUV-Aの防止効果が高いと言えます。
PA+ | UVA防止効果あり |
---|---|
PA++ | かなりUVA防止効果あり |
PA+++ | 非常にUVA防止効果あり |
PA++++ | 極めてUVA防止効果が高い |
日常〜レジャーまでシーン別に合わせた日焼け止めの選び方
老化の原因の80%が紫外線などの光だと言われています。
そのため、シミをはじめシワやたるみなどの老化を防ぐには、紫外線から肌を守る必要があります。
しっかり紫外線対策をしようと、SPF値の高い日焼け止めを選びがちではありませんか?
SPF値が高い日焼け止めや下地、ファンデーションなどは、お肌に負担がかかる「紫外線吸収剤」などが配合されていたり、水や汗に強い処方になっていることも多く、洗浄力の強い洗浄剤で落とす必要があります。
お肌には負担となるため、毎日使うのはおすすめではありません。お肌のためにも生活シーンに合った紫外線防止用の化粧品を選ぶようにしましょう。
下記の表を日焼け止めを選ぶ時の参考にしてください。
SPF20まで | 散歩や買い物などの日常生活 |
---|---|
SPF20〜30 | 屋外での軽いスポーツやレジャーなど |
SPF30〜50(50+) | 炎天下でのレジャー、リゾート地でのマリンスポーツなど |
※人より紫外線に過敏な場合は、SPF50、50+を使った方がいい場合もあります。
ちなみに、SPFが50程度あれば紫外線の強い場所や紫外線に過敏な人でもUVBによる炎症を防止できると考えられています。そのことから、SPF測定法によって測定した結果、SPFが50よりもずっと高い場合「SPF50+」と表示されています。
子供に使う日焼け止めの選び方について
最近は、赤ちゃんから使える日焼け止めも販売されています。
皮膚がまだ薄くデリケートな肌なので、乳児・幼児のお子様に使用する日焼け止め選びにも注意しましょう。
日焼け止め効果のある成分には、「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」の2種類があります。
紫外線吸収剤は、成分に紫外線を吸収させるという作用があり、肌の上で化学反応を起こします。
紫外線カット効果は高く、汗や水にも強いのですが、お肌に負担がかかってしまうのがデメリットです。
一方、紫外線散乱剤は、お肌表面で紫外線を跳ね返すだけの作用で、天然のミネラル成分が使用さされており、オーガニックコスメの紫外線対策化粧品にも使われています。
お子様に使用する日焼け止め選びは、後者の「紫外線散乱剤」が使用されているものを選ぶことをおすすめします。
《紫外線吸収剤の一例》
メトキシケイヒ酸オクチル(あるいはメトキシケイヒ酸エチルヘキシル)・ジメチルPABAオクチル(あるいはジメチルPABAエチルヘキシル)・t-ブチルメトキシジベンゾイルメタンなど
分からない場合は、「紫外線吸収剤不使用」と表示されているものを選びましょう。
紫外線吸収剤不使用の日焼け止めをまとめた記事も参考にしてくださいね。
サロンオーナー厳選!紫外線吸収剤不使用の下地や日焼け止め10選〜敏感肌にも安心〜
まとめ
今回は、紫外線防止効果を示す「SPF」と「PA」について、またシーン別に選ぶ紫外線のSPF値の目安についてご紹介しました。
毎日使うものなので、お肌に負担のかからに選び方をしたいものですが、日差しの強いレジャーなどの際は、紫外線防止効果を優先して選びましょう。
また、カサやアームカバー、帽子なども活用しましょう。
《参考サイト》
日本化粧品工業連合会 https://www.jcia.org/user/