夏になると汗をかきやすく、皮脂分泌量が増えがち。
きちんと洗顔しているつもりなのに、夏はニキビができやすいと悩んでいる方もいらっしゃると思います。
ニキビによる炎症と紫外線によるダメージが重なることで、色素沈着しやすくなり、シミとなって跡が残ってしまう心配も…。
今回は、化粧品開発にも携わっている美容ライターが、夏にニキビが増える方向けに対処法やおすすめ化粧水を紹介いたします!
夏にニキビが増えるあなたに!
ニキビと言っても、思春期の頃のニキビと大人ニキビは、原因も環境も大きく異なることは皆さんご存知かと思います。
でも「いつもと同じお手入れで良いの?」「専用の化粧品ってあるの?」と実は知らないことばかりではありませんか?
今回は予防だけではなく、できてしまったニキビ対策についても詳しく掘り下げていきます。
夏にニキビが増える考えられる原因とは?
まず、“そもそもニキビとは?”
私たちがよく耳にする“ニキビ”とは、正しくは“尋常性ざ瘡”(じんじょうせいざそう)と言い、実はれっきとした皮膚の病気です。
特に多くの方は10代で尋常性ざ瘡を経験し、年齢を重ねるにつれ自然となくなっていきます。
“尋常性ざ瘡は病気である”という認識が日本では低いため、ほとんどの方が皮膚科を受診せず自然治癒を待ちますが、衛生面で影響が出たり(化膿など)、ひどい場合は外出も億劫になるなど精神面に影響が出ることもあります。
また、10代のニキビと大人のニキビでは原因が異なることが多いです。
10代のニキビは女性ホルモンや成長ホルモンの影響で、皮脂の分泌が過剰になることで発症しますが、30代以降のいわゆる“大人ニキビ”は、主にターンオーバーの乱れやストレス、乾燥や紫外線ダメージなど、様々な外的要因や内的要因が影響しています。
このように、大人ニキビの場合は原因が確定できないことが多く、内臓機能の低下などが影響していることもあります。
では、夏独特の大人ニキビはどのような肌状態になるとできてしまうのでしょうか。
具体的に見ていきましょう。
原因1:高温多湿のため、汗や皮脂が多く分泌される
夏にニキビが増える原因、それは高温多湿の環境が大きく影響しています。
暑さで大量発汗し、毛穴が開いた肌に皮脂が過剰に分泌され、紫外線やほこり・汚れなどで皮脂が酸化。
そんな毛穴状態が続くと、雑菌は繁殖し、ニキビができやすくなってしまうのです。
原因2:皮脂やメイクが酸化などにより変質しやすい
簡単に言うと皮脂やメイクはあぶらです。油脂は強い紫外線やほこり・汚れなどで、前述したように酸化しやすい環境にあります。
油脂の酸化を酸敗などと呼びますが、それを放置していると活性酸素の影響により油脂自体を変性させます。
それにより毛穴が詰まり、塞がれ、ニキビの原因のひとつであるアクネ菌が増殖し、夏ニキビとなります。
原因3:紫外線ダメージや冷房による皮膚乾燥で過剰な皮脂量になる
ニキビは油性肌や過剰な皮脂分泌も原因のひとつですが、大人ニキビの場合、肌の乾燥がニキビを作るという事象が多々あります。
外出先で紫外線に晒され、汗や皮脂が多量に発生。そんな夏の過酷な状況と肌は毎日戦っています。
しかし、屋内に入ればガンガンに冷えた冷房、冷たい飲み物、寒暖差による皮膚不良が起こっても不思議ではありません。
真夏にも関わらず肌はどんどん乾燥し、乾燥した肌はバリア機能を失っていきます。
バリア機能を失った肌は、角質層に充分な潤いを与えようと、更に皮脂を分泌しようと働きます。夏ニキビの原因は、こんな悪循環から生まれます。
原因4:バリア機能を失ったためにターンオーバーが乱れ、角質肥厚となり毛穴が詰まる
https://miracle8.us/p3_jp.html ※引用元:MIRACLE8
ターンオーバーが乱れると上手に古い角質が押し出されなくなるために、角質はどんどん厚くなります。
角質が厚くなると毛穴が詰まり、詰まった毛穴に皮脂が溜まり、その皮脂が酸化し…と、ニキビの原因になる状況が続きます。
また、夏の紫外線ダメージの恐ろしいところは、ニキビだけではなく肌のシミも増やすというところ。ターンオーバーを整えることは、最も有効なアンチエイジングと言えます。
夏のニキビケアを怠るとこんな危険性が!
“ニキビは触らず放置すること”。
このようなアドバイスをどこかで聞いたことがありませんか?この対処法は正しくもあり、実は間違いでもあります。
ニキビができたときに触ってはいけないというのは、手指には目に見えない雑菌がたくさん付着しており、炎症を起こした肌をその手指で触ると悪化する恐れがあるからです。
だからと言って、放置して良いというわけではありません。
ニキビは炎症を起こしていることが多く、簡単に言うと、怪我や傷を負っている状態と似ています。
適切な対処をしなければ、毛穴の奥で細菌が繁殖してしまい、中で膿が溜まることもあります。そのような状態のときは痛みを伴います。
また、詰まった毛穴の奥には、ニキビの原因となる“アクネ桿菌”などの細菌が残っていることも多々あるために、ニキビの再発を繰り返すことがあります。
特にこちらの記事をご覧頂いている皆さんは、大人ニキビに悩む方や、なぜか夏にニキビができることに困ってる方が多いと思います。
大人ニキビや夏ニキビはターンオーバーの乱れが起因していることが多く、ターンオーバーの乱れから起こるニキビは肌の生まれ変わりに異常を来しているので、ニキビ跡が色素沈着として残りやすく、肌のムラやシミとなることがあります。
夏にニキビが増える方におすすめの化粧水3選
そこで夏ニキビにおすすめの美容成分と化粧水3アイテムをご紹介します。
ニキビ対策用の美容成分は世の中に多数ございますが、なぜ筆者が以下の美容成分をおすすめしたいのか、効能効果と併せてご覧ください。
①アクアレーベル アクネケア&美白水
https://www.shiseido.co.jp/aqua/product/acne/ ※引用元:きれいを、もっとマイペースにAQUA LABEL
- 200ml/2,903円(税抜)
- 配合成分:グリチルリチン酸ジカリウム
選んだポイント
ベタベタしない使用感で酷暑でもさっぱり使えました。すっきりするので乾燥しやすいかと思いましたがお肌はしっかり潤ってくれたので、大人ニキビさんにはピッタリだと感じています。ちなみにノンコメドジェニックです。
みんなの口コミ
- ニキビケアと美白、両方できるのはありがたいです。K*t*eさん(評価★★★★★)
- アクネには必須☆しっとり感もありますが、アクネには効果ありました。価格もやさしいです。M**iさん(評価★★★★★)
- 自分にあった最高の化粧品。ニキビが、気になっていましたが、肌がきれいに。ま*さ*(評価★★★★★)
引用元 ショッピングサイト:https://search.rakuten.co.jp/search/mall/4901872329380/?l-id=s_search&l2-id=shop_header_search
②オードムーゲ薬用ローション
https://www.kobayashi.co.jp/seihin/edm_l/index.html ※引用元:小林製薬株式会社
- 160ml/970円
- 配合成分:グリチルリチン酸ジカリウム、イソプロピルメチルフェノール
選んだポイント
拭き取りタイプだからスッキリと使えて気持ちが良い!染みるような刺激もなく安全に使えた印象です。
私は朝洗顔を一旦やめて、この拭き取り化粧水を洗顔代わりに使用しておりました。
物理的に拭き取るのでターンオーバーの改善のサポートはできると思います。但し、拭き取るという行為自体は刺激を感じる方もいらっしゃるので、ご自身のお肌状態をよく観察してできるだけやさしく拭き取ってくださいね。
みんなの口コミ
- 30代でまさかのアゴニキビに悩み、いろいろ試しましたが結局これが一番効きました!使ったその日からニキビがどんどん治っていき、本当にありがたいです。Y**iさん(評価★★★★★)
- 顎ラインと頬には常にニキビが絶えず、数年間かなり悩んでいました。今ではニキビに悩むことも殆どなくなり、久しぶりに会う人には「肌きれいになってない!?」とびっくりされるほど!a*a*oさん(評価★★★★★)
- 拭いた後に自分の顔が明るくなって、こんなに汚れていたのかと凄く驚きました。ずっと使ってきて、ニキビが出来なくなってやっとニキビの無い自分の顔が見れました。A*a*o**ス*マ*(評価★★★★★)
引用元 ショッピングサイト:https://www.cosme.net/product/product_id/846/top
③オルビス薬用クリアローション
- 180ml/1,500円
- 配合成分:グリチルリチン酸ジカリウム
選んだポイント
サラッとしたテクスチャーでなんとオイルフリー!油性肌の方も気軽にバシャバシャ使えます!夏にピッタリの化粧水ではありますが、しっかり保湿してくれるから冬場でも安定感抜群だと思われます。ちなみにこちらもノンコメドジェニックテスト済みです。
みんなの口コミ
- 一年中顔全体にあったニキビがなくなりました!!本当にビックリしています、、これからも使用し続けます(^-^)ジ*ォ*さん(評価★★★★★)
- さっぱり感があって肌荒れしないのに、乾燥肌にも向いています。自分もそうですが乾燥&口まわりの吹き出物が治りづらい年齢層にも合うのでは。K*iさん(評価★★★★☆)
- ニキビに凄く効果的で、肌の赤みもよくなりお化粧するのがとても楽しいです♪よ**さん(評価★★★★★)
皆さんとても高評価を付けているだけあって、筆者も納得の使用感でした!
ニキビケアに選ぶ化粧品の配合成分
グリチルリチン酸ジカリウム
漢方の原料として認知度の高い甘草の根に含有されている炎症を抑える成分です。できてしまったニキビや肌荒れに効果を発揮します。
実は即効性は期待できない成分ではあるのですが、抗アレルギー作用も確認されているために、その効果は副腎皮質ホルモンのように副作用がほとんどないと言われている安全性の高い成分です。
≪コンシェルジュおススメポイント≫歴史の長い天然由来系成分!
ビタミンC誘導体
抗酸化作用が高く、肌の定期的なリズムを正常化させる働きがあります。また、肌の炎症や過剰な皮脂を抑えてくれます。
ニキビの炎症は酸化した皮脂やメイク詰まりが活性酸素を生み出すことで悪化しますが、ビタミンC誘導体は強い抗酸化力がありますので、炎症の元になる活性酸素自体にアプローチする作用が期待できます。
≪コンシェルジュおススメポイント≫酸化が気になる30代半ばからの鉄板成分!
イソプロピルメチルフェノール
菌に対する除去作用があり、ニキビ自体を消炎する効果があります。ニキビの原因菌であるアクネ菌自体を殺菌するため、大量発汗や過剰皮脂による毛穴炎症が起こりやすい夏ニキビにお勧めの成分です。
≪コンシェルジュおススメポイント≫Tゾーンが脂っぽい筆者にはピッタリでした!
≪コンシェルジュの独りごと…≫
ニキビ対応型化粧品と言えばノンコメドジェニック!
ノンコメドジェニックとは、テスト対象製品を皮膚に塗布し、毛穴が皮脂で詰まった状態のニキビ初期症状(コメドと言います)が、定められた基準以上の症状が現れるかどうかをテストした製品であることを指します。
昨今では美容マニアやコスメマスターの方々から注目を浴びているカテゴリーですが…
誤解されやすいのは、ノンコメドジェニック製品が必ずしもニキビができないという保証ではないということ。
あくまでも試験としてそのようなテストを行い、一定基準をクリアしたエビデンスがあるということですので、全ての化粧品をノンコメドジェニックで揃えたり、過剰に反応するのは違和感を覚えます。
私の個人的主観ですが、ニキビは毛穴を詰まらせないことがひとつの大切な予防法です。
酸化しやすく長時間肌に留まらせるファンデーションや日焼け止めについては、ノンコメドジェニックテスト済み製品はとてもよろしいかと思います。
ニキビができたときの対処法について
ひと言で“ニキビ”と言っても種類や段階があります。
症状ごとに対処法も変わってきますので順に解説いたします。
※以下記述は医学的観点から見た見解ではございません。ニキビは肌の疾患ですので、ご自身で自己判断せず、原則として医師に診断を仰いでください。
白ニキビ(閉鎖面庖)
https://shop-healthcare.fujifilm.jp/lunamer/contents/lunapla/contents_vol28.html ※画像引用元:ルナプラ
老廃物や汚れが詰まり、皮膚自体が盛り上がって見える状態です。まだ炎症を起こしていないので、目に見えた赤みなどはありません。
対処法:できるだけ触らないことです。炎症を起こしていないため、ここで触ってしまうと赤ニキビになる可能性があります(赤ニキビについては以下をご覧ください)
赤ニキビ(炎症性面庖)
https://shop-healthcare.fujifilm.jp/lunamer/contents/lunapla/contents_vol28.html ※画像引用元;ルナプラ
白ニキビが悪化し炎症を起こしている状態です。目に見えて赤みを帯び目立ちます。
痛みを感じることも多いため潰してしまいがちですが、初期段階で潰すと必ず跡となって残ります。
対処法:初期段階(初日~3,4日程度)痛みがあり赤みも確認できますが、膿は見えていない状態。この時はメイクも油分さえも刺激になりますので、隠そうと厚塗りするのは逆効果です。ベースメイクは薄づきを心がけ、紫外線対策を重点的に行ってください。
夏にニキビが増えるのは、紫外線を大量に浴びる刺激もひとつの原因ですので、UVカットは必須です。
治癒段階(4,5日~)ニキビ表面に白い膿が見えるようになると炎症のピークを過ぎています。毛穴の奥で白血球が細菌と戦ってくれた残骸です。
ここまでくれば膿の出口を作ってあげましょう。
一般的にニキビを潰す行為は絶対NGと言われておりますが、実際には皮膚科でもタイミングによっては膿の出口を作ってあげて早く完治をさせます。
なお、膿を全て出し切るのではなく、詰まっている表面だけ軽く穴を開けるイメージです。全て膿を出し切るまで潰してしまうと、確実にニキビ表面を覆っている膜が破れてしまいますので跡となってシミになります。
病院へ行かずにもしご自身で圧迫する場合は以下の手順が最適です。
≪準備するもの≫清潔な針・消毒用エタノール・滅菌ガーゼ・殺菌効果のある軟膏
①針をライターなどの火で炙ります
②針に煤(すす)が付くのでエタノールでキレイに拭き取ります
③ニキビの白い部分を狙って針先を指します。この目的はあくまでも膿の逃げ道を作るためですので、全ての膿を出し切らないつもりで1ミリ程度指してください
④表面に穴が開いたらニキビの周りを指の腹で優しく押して中の膿を出します。このとき全て出し切らないように注意してください。物足りなく感じるかもしれませんがまた炎症が起こり、繰り返す場合があります
⑤膿を半分近くまで出したらあとは滅菌ガーゼに消毒用エタノールを含ませ、患部を消毒してください
⑥最後に軟膏を塗布して自然に治癒するのを待ちましょう
ニキビは潰してはいけないものという認識は今や常識ですが、状態によっては対処法として、膿を出すことはOKなんです。
とは言っても自分でやると力の加減やどこまでやればいいのかよくわかりませんよね。
赤ニキビが発症した場合は、皮膚科を受診することがより良い選択でしょう。
黒ニキビ(解放面庖)
https://shop-healthcare.fujifilm.jp/lunamer/contents/lunapla/contents_vol28.html ※画像引用元:ルナプラ
面庖の中身が黒く酸化して、皮膚表面に黒点として目に見える状態です。主に鼻まわりに見られ、イチゴ鼻などと言った名称で一般的に呼ばれています。
炎症が起きていないので痛みは伴いませんが、見た目の美しさが損なわれます。
また、放置すると赤ニキビになることもあります。
対処法:毛穴あたりが酸化しているので、できるだけオイリーな化粧品を使用するのはやめてみましょう。洗顔も優しく刺激を与えない様、泡で洗ってあげるイメージで。
炎症しないように注意が必要なので、黒ニキビにこそノンコメドジェニック製品が望ましいでしょう。
まとめ
夏に増えるニキビの原因、お分かりいただけたでしょうか。
大量の汗や皮脂、刺激的な大気汚染、そんな中強い紫外線に晒されると肌はどんどん荒れていきます。
また、“ノンコメドジェニックはニキビができない”といったネットのイメージ情報や、“ニキビは絶対潰してはいけない説”など、現代では様々な情報が錯そうしがちですが、惑わされずに自分に合った治療法や対処法を見つけていかなければなりません。
とにもかくにも、夏の大人ニキビは肌の病気である!という認識を持って、できる限り皮膚科で治療をしてくださいね。
信頼できるかかりつけの皮膚科を見つけておくと、肌トラブルがあったときにすぐに相談できて安心ですよ。