尾崎まり江
今回は、ストレスによる肌荒れについて。コロナでステイホームが余儀なくなれている中、家族であってもずっと一緒にいるとストレスを感じたり、一人暮らしの場合は、孤独を感じて心が疲れてしまうことも。
ストレスは、女性ホルモンにも影響を及ぼしますが、肌荒れの原因にもなります。少しでも、ストレスを緩和して、肌荒れなくステイホームしていただけると嬉しいです。
これってストレスによる肌荒れ?
ストレスが溜まると、女性ホルモンのバランスが乱れ、男性ホルモンの分泌が増え、皮脂分泌が過剰になるため、ニキビや吹き出物ができやすくなります。いつもは、Tゾーンなどの皮脂が多い部分にしかできないニキビが、頬や口周りにでき始めたら要注意。 また、ストレスは便秘になりがち。便が腸内に溜まると血液が汚れ、それが全身に回るため、ニキビや吹き出物を発生させてしまいます。 いつもはちゃんと保湿されるのに、同じ化粧品を使ってもすぐに肌が乾燥する。粉が吹いていることもある。 化粧品を変えていないのに、ヒリヒリしたり、赤みや炎症が生じている。 こんな肌荒れの場合は、ストレスが原因かもしれません。化粧品だけでは、なかなか治らないことが多いので、まずは優先すべき対処法を試してみてくださいね。 ストレスとは、職場や家庭での人間関係によるイライラや緊張、不安などの心理的なもの、寒暖差の激しい気候や有害物質などの物理的なもの、睡眠不足などの生理的なものなどが原因で、精神的、身体的に疲労を感じることです。 ストレスを感じている時は、イライラしたり、不安になったりして落ち着きません。そんな時は、静かな場所で目を閉じて、鼻から息を深く吸い込み、口からゆっくりと吐き出します。 座った状態でもいいですし、寝る前なら寝転んだ状態でもいいです。ヨガにある「しかばねのポーズ」は、全身の力を抜いて深く深呼吸をします。寝つきが良くなるため、睡眠不足の方にもおすすめです。 また、ストレスは、自律神経のバランスが乱れる原因にもなります。朝日を浴びることで、活動モードの「交感神経」が優位になってくれるので、朝日を浴びながらの深呼吸や瞑想もいいでしょう。 香りは脳に直接作用して、心をリラックスさせてくれます。ラベンダーやカモミール、ゼラニウムなど、リラックス効果のある精油をディフューザーで焚いて、香りを楽しみましょう。 精油は、必ずアロマテラピー専門のお店で買うようにしてください。雑貨店のものは、合成香料の可能性があり、その場合、効果はありません。 お風呂に入って、全身を温め、血行を促進することでリラックス効果が得られます。この時、高すぎない温度がおすすめです。42度くらいまでにしておきましょう。 また、浄化作用のある塩を入れることで、体の疲れも取り除いてくれます。アロマテラピーを垂らして入るのもおすすめです。 体を動かすことで、嫌なことを忘れたり、不安を取り除けたりします。ウォーキングやランニング、また、ストレッチなどもおすすめです。 体を動かすこと以外にも、没頭できる趣味などがあれば、それをやってみるのもいいでしょう。 マッサージは、リラックスするのにとても効果的です。人の手によるマッサージを受けることが1番のリラックス方法ですが、コロナ渦の中では難しいので、セルフマッサージを行いましょう。 目を閉じて、目の周りをマッサージしたり、頭皮をほぐしたりすることで、睡眠の質も高まります。ストレスにならないパートナーさんがいるなら、お互いにマッサージのし合いっこもいいのではないでしょうか。 自律神経とは、交感神経と副交感神経によって成り立っていて、臓器の働きや体温、脈拍など、私たちの意思ではコントロールできない生命に関わる働きをコントロールしています。 朝〜夕方までは、活動モードの交感神経、夕方〜夜は、お休みモードの副交感神経が優位になっているのが健康的なバランスです。 ですが、ストレスを感じると、身体はそれに対処しようとして、交感神経を優位にします。その状態が続くと、血管の収縮が起こり、血行不良に陥り、肌の免疫機能が低下したり、肌のターンオーバーの乱れの原因にもなります。 また、女性の場合、ホルモンバランスにも乱れが生じ、男性ホルモンの分泌が増えてしまいます。そのため、皮脂分泌量が増加して、ベタついたり、ニキビや吹き出物ができやすくなります。 ストレスを感じると、血管の収縮が起こると述べましたが、それが肌内部の温度を下げて「肌冷え」を起こしていることが、研究結果で分かっています。 肌冷えが起こることで、肌内部では微弱炎症が起こります。微弱炎症は、肌が本来生み出してくれる潤い成分の生成を妨げ、肌の乾燥を引き起こします。 ストレスを受けると、肌内部では、活性酸素が過剰に発生します。活性酸素は、肌細胞にダメージを与え、ターンオーバー機能が乱れたり、肌に必要な成分や皮脂の分泌を妨げたりします。シワやたるみなどの年齢肌の原因にもなっています。 ストレスによる肌荒れ、放置していると、 ストレスを軽減できるよう、先に述べた対処法を取り入れながら、食事や化粧品によるケアも同時に行っていきましょうね。 ストレスを感じたり、疲れが溜まると、甘いものが食べたくなりますね。実際、砂糖の甘みがストレスを解消するということは、科学的にも証明されているそうです。 砂糖の甘みを舌が感じると、脳が「エンドルフィン」と「セロトニン」という物質を分泌。エンドルフィンは、気持ちを落ち着かせてくれる働きがあり、セロトニンは、精神を安定させてリラックスさせる効果があります。 ですが、空腹時に砂糖が多い食品を食べると、急激に血糖値が上がり、さらに、血糖値を下げるインスリンが一気に分泌されて、血糖値が低下し、低血糖を引き起こします。低血糖になると、空腹感を感じ、また食べるという悪循環を繰り返してしまいます。 ストレスを感じたら甘いものを食べるを繰り返していると、これに依存してしまうため、体重が増えたり、胃腸の不調を引き起こします。 また、ニキビなどの肌荒れ、さらには、糖化によるシミの原因にもなるので、お肌のためにも悪影響です。 幸せホルモン「セロトニン」は、脳内で作られます。その材料となるのが、必須アミノ酸の一つ「トリプトファン」です。トリプトファンは、体内では生成できないので、食事から摂取しなければなりません。不足すると、うつ病の原因にもなると言われているほど、大切な栄養素です。 また、トリプトファンは、日中は脳内でセロトニンに、夜になるとメラトニンに変化します。メラトニンは、睡眠を促してくれるので、ストレスによる不眠や睡眠の質の低下に悩んでいるなら、積極的に摂ってほしい栄養素です。 ストレスを受けると、体内で過剰に活性酸素が発生します。活性酸素は、細胞にダメージを与え、肌の免疫機能やターンオーバ機能などの妨げとなります。また、シミやシワなど老化の原因にもなるので、活性酸素を取り除いたり、発生を抑制してくれる、抗酸化作用のある物質を含む食品を積極的に摂りましょう。 また、ストレスがないときでも、紫外線、タバコ、アルコールなどでも活性酸素は発生するので、抗酸化物質は意識して摂るよう、日頃から心がけておきましょう。 抗酸化物質の代表的なものが「ポリフェノール」や「カロテノイド」。 ブルーベリーなどに含まれているアントシアニンや大豆に含まれているイソフラボンもポリフェノールです。他にもルチン(そば)、カテキン(緑茶)などがあります。 カロテノイドは、緑黄色野菜や果物などに含まれているβ-カロテンやリコピンが代表的です。また、エビやカニ、鮭などに含まれているアスタキサンチンもカロテノイドの一種です。 抗酸化ビタミンには、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEがあります。 ビタミンAは、カロテノイドの一種で、先ほど挙げたβ-カロテンに多く含まれています。 ビタミンEは、若返りのビタミンと呼ばれるほど、高い抗酸化力があります。良質な植物油、小麦胚芽油や米油をはじめ、アーモンドやピーナッツなどのナッツ類、カボチャやブロッコリーなどの緑黄色野菜に含まれています。 ビタミンCは、水溶性で尿と一緒に排出されやすいので、こまめな摂取がおすすめです。サプリメントを取り入れるのもいいでしょう。 野菜であれば、赤ピーマンや黄ピーマン、ブロッコリー、じゃがいもなどに、果物であれば、キウイフルーツ、イチゴなどに多く含まれています。 ビタミンCは、コラーゲンの生成をサポートしてくれるので、美肌のためにも積極的に摂りたいですね。 おすすめ関連記事 何を使ってもピリピリする、痒いなどの症状が起こっている場合は、いろいろな美容成分が入っているよりも、シンプルに保湿をするだけにしておきましょう。そのときにお勧めなのが「ワセリン」です。 皮膚科でも保湿剤として処方されることがあり、肌トラブルが起こっている時でも安心して使うことができます。 おすすめ関連記事 ストレスによってバリア機能が低下した肌は、ホコリや花粉、乾燥などのダメージを受けやすいため、角質層の成分の一つで、バリア機能を高めてくれる「セラミド」がおすすめ。 肌が敏感になっている時期なので、人間と同じ構造をした「ヒト型セラミド」を選ぶことがポイントです。 おすすめ関連記事 先にも述べたように、ストレスは活性酸素を過剰に発生させ、細胞にダメージを与えます。スキンケアにも抗酸化作用のある成分が配合されているものを選ぶといいでしょう。 まずは、ビタミンC。抗酸化作用があるとともに、コラーゲン生成のサポートもしてくれます。水溶性と油溶性の両方の性質を持ち合わせたビタミンCが、肌に馴染みやすくておすすめです。 おすすめ関連記事 ビタミンCの172倍もの抗酸化力があるのが「フラーレン」。さらに、長時間持続してくれる抗酸化力があるので、持続的に活性酸素の発生を抑えてくれます。 美白やシワなどの年齢肌を改善してくれるエイジングケアとしてはもちろん、バリア機能を改善する成分としても注目されています。 おすすめ関連記事 アロマ精油は、ストレスを緩和するのにおすすめです。手作りでミストタイプの化粧水を作れば、スキンケアの時間をリラックス時間にできます。 そうしたホリスティックなケアが考えらているオーガニックコスメが、HANAオーガニックです。ローズウォーターを主成分とし、さらにストレスを緩和してくれる6つの精油を配合しています。 ローズウォーターの香りはリラックス効果があるほか、抗酸化作用や抗炎症作用があり、活性酸素による酸化や炎症を抑えてくれます。 中でも、美白美容液であるホワイトジェリーは、漢方の成分も配合されていて、抗炎症作用に優れた「甘草」も配合されています。肌荒れやニキビの炎症を抑えてくれるので、ストレス時の肌荒れにおすすめです。 おすすめ関連記事 ストレスで肌荒れする原因の一つ、肌内部の炎症に着目したスキンケアがあります。それが敏感肌専門ブランド「ディセンシア」のアヤナスコンセントレートやサエルコンセントレートです。 ストレスによる肌内部の肌冷え、微弱炎症をケアする3つの成分を複合させた「ストレスバリアコンプレックス」™が配合されています。 肌のバリア機能を高めてくれるヒト型セラミドも配合されています。 おすすめ関連記事 今回は、コロナ騒動によって、生活環境、職場環境が変わり、ストレスからか肌荒れしているという声を聞きましたので、ストレスと肌荒れについて書きました。 なかなか環境を今すぐ変えるのは、難しいのですが、取り入れられる対処法で少しでもストレスを緩和していただけると嬉しいです。 《参考サイト》ニキビ・吹き出物
ひどい乾燥肌
赤み・炎症
ストレスによる肌荒れ?優先すべき対処法
①深呼吸や瞑想をする
②アロマテラピーでリラックする
③湯船に浸かる
④体を動かす
⑤マッサージをする
ストレスでなぜ肌荒れするのか?
①自律神経のバランスの乱れ
②肌内部の微弱炎症
③活性酸素の過剰発生
ストレスによる肌荒れ放置しないで!
ストレスを感じているときにおすすめの栄養素
必須アミノ酸「トリプトファン」
トリプトファンが多い食材
食品名 100g当たりに含まれているトリプトファン カツオ 310mg マグロ 270mg 牛や豚などの赤身肉 200〜280mg 鶏レバー 270mg 卵 180mg 豆腐 98mg チーズ 290mg 牛乳 40mg バナナ 10mg 抗酸化物質・ビタミン
抗酸化物質・ビタミンを含む食品
ストレスによる肌荒れにおすすめのスキンケア
ワセリンを使う
セラミドでバリア機能を高める
抗酸化作用のある成分を使う
リラックス&炎症を抑えるオーガニックコスメ
ストレスによる肌内部炎症に着目したコスメ
「ストレスバリアコンプレックス」™ パルマリン タイトジャクソン活性化(バリア機能を高める) ジンセンX 血行促進・体温上昇(肌の温度を上げる) ビルベリー葉エキス 真皮内GABA産生促進・線維芽細胞増加(コラーゲン産生をサポート、リラックス効果)
まとめ
実は医師に多い?「うつ」は食事で改善できる!
https://www.dtod.ne.jp/omoshiro/article41.php
甘いもの好きな人必見!砂糖依存症について
https://www.shinjuku-stress.com/column/psychosomatic/suger/
お砂糖とストレス
https://www.nissin-sugar.co.jp/enjoy/research/stress.html
厚生労働省 e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-009.html
ビタミンCの働きと摂取目安量、多く含む食品を紹介
https://www.morinaga.co.jp/protein/columns/detail/?id=180&category=health