自毛植毛のデメリットについて知りたい方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこでこの記事では、自毛植毛のデメリットについて解説します。
他にも、自毛植毛の副作用について解説しているのでぜひ最後までご覧ください。
自毛植毛とは
自毛植毛は、後頭部や側頭部の自分の毛髪を薄毛の部位に移植する治療法です。この方法では、自分の髪の毛を使用するため、移植先での拒絶反応や炎症が少なく、長期的に効果が期待できます。
ただし、移植した髪の毛はその後、ヘアサイクルに従って成長するため、すぐにフサフサに生えるわけではありません。完全に生え揃うまでには、通常1年から1年半ほどの期間がかかります。
また、移植する毛髪は現在生えている他の部位から採取するため、植毛できる量には限界があります。
移植本数の制限
自毛植毛は、薄毛治療の一つで、自分の頭皮から採取した健康な毛髪を薄毛部に移植する方法です。しかし、移植できる毛髪の本数には制限があります。以下では、その理由と制限について詳しく説明します。
自毛植毛の本数の目安
移植できる本数は、薄毛の進行具合や移植範囲、頭皮の状態によって異なります。一般的な目安としては、以下の通りです。
- 生え際の後退やM字部分の薄毛の修正:約1,000本
- 頭頂部やつむじ周辺の薄毛の修正:約1,500本
これらの本数はあくまで目安であり、最終的な本数は医師とのカウンセリングを基に決定されます。
自毛植毛で移植できる本数の上限
自毛植毛で移植できる本数の上限は、主にドナー領域(毛髪を採取する部分)の状態と患者の頭皮の健康によって決まります。一般的に、1回の施術で移植できるグラフト数は最大で2,000本程度とされており、生涯で移植可能な本数は10,000〜12,000本が目安です。
ただし、これらの目安は一般的なものであり、患者様一人ひとりの状況によって異なることを理解しておくことが大切です。
痛みや腫れ
自毛植毛は薄毛治療として非常に効果的ですが、術後に発生する腫れや痛みに対する不安を抱える人も多いです。以下では、術後の経過や痛み、シャンプーに関する注意点について詳しく解説します。
自毛植毛後の術後経過
自毛植毛の術後経過は、手術方法や個々の体質によって異なります。手術直後は、頭皮に出血や赤み、腫れが見られることがありますが、これらは通常、数日以内に落ち着きます。
手術から1〜2日後には、傷が少し治まり、包帯を外せるようになります。また、手術から約1週間程度で傷口はほぼ治り、カサブタが自然に剥がれ始めます。
術後1〜3ヶ月後には、移植した毛髪が一時的に抜ける「一時的脱毛」が起こることがあります。この脱毛は新しい髪の成長に向けた正常な過程であり、心配する必要はありませんが、この期間は特に注意が必要です。
自毛植毛後の痛みとその対処法
自毛植毛手術は局所麻酔を使用するため、手術中に痛みを感じることはほとんどありません。ただし、手術後には痛みを感じることがあります。痛みの程度は手術方法によって異なります。
- FUT法(後頭部から帯状に皮膚を切り取る方法)は、比較的痛みが強くなることがあります。
- FUE法(髪の毛1本ごとに小さな穴を開けて採取する方法)では、手術後の痛みが少ない傾向にあります。
術後の痛みを和らげるためには、医師から処方された痛み止めを使用することが推奨されます。
自毛植毛後のシャンプーについて
自毛植毛後のシャンプーは、手術後1〜2日が経過すれば可能ですが、注意が必要です。シャンプーの際は、頭皮を強くこすらず、刺激の少ないスポンジを使って軽く押し洗いを行うことが重要です。
また、水圧が強いシャワーを直接患部に当てないようにし、手でお湯をかけたり、霧吹きを使って優しくシャンプーを流すことが推奨されます。術後2週間以上経過すれば、通常通りのシャンプーに戻しても問題はありません。
適切なケアと注意を払うことで、快適に回復し、良好な結果を得ることができます。
効果が出るまでの時間
自毛植毛は効果を実感するまでに一定の期間が必要です。ここでは、その期間や理由について詳しくご説明します。
自毛植毛の効果が実感できるまでの期間
自毛植毛の効果が実感できるまでには、通常、施術後3〜6ヶ月が目安となります。移植した髪の毛は、手術後1ヶ月ほどで一時的に抜け落ち、その後2〜3ヶ月をかけて新たな髪が生えてきます。この期間は、個々の体質や健康状態、施術方法によって差が出ることがあります。
経過写真を使った効果確認
自毛植毛の効果を実感するためには、経過写真が非常に有効です。施術直後から1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後、1年後など、定期的に写真を撮り、髪の成長の様子を比較することで、どのように髪の毛が改善されていくのかを視覚的に確認できます。
傷跡
自毛植毛には傷跡が残るというデメリットがあります。手術方法や個々の状況により、傷跡の形状や大きさは異なります。ここでは、傷跡の種類やその対処法、傷跡への自毛植毛の可能性、予防方法について詳しく解説します。
自毛植毛後の傷跡の種類
自毛植毛後、頭皮には必ず何らかの傷跡が残ります。傷跡の形態は手術方法によって異なります。
- FUT法(Strip法)
一度に多くの毛包を移植できるため、効率的ですが、後頭部に横一線の大きな傷跡が残ります。傷跡は比較的大きく目立つことがあります。
- FUE法
1本ずつ毛根を採取する方法で、傷跡は小さく目立ちにくいですが、1回の施術で移植できる毛髪の本数は少なくなります。傷跡は点状であり、頭皮に馴染みやすいですが、目立たないわけではありません。
傷跡を目立たなくするためには以下のようなケアが有効です。
対処法
- 傷口を清潔に保つ
感染を防ぎ、傷の治癒を早めます。
- 激しい運動を避ける
術後の早期は運動を控えることで、傷口に負担をかけずに回復を促進します。
- ヘアシートの使用
術後の傷口に圧力をかけず、保護することで傷跡の目立ちを抑える効果が期待できます。
傷跡への自毛植毛は可能?
傷跡部分への自毛植毛は可能です。火傷や手術の傷跡にも移植が可能ですが、血流が少ない部位では、毛髪の定着率が低くなることがあります。そのため、傷跡への移植を検討する場合は、十分な経験を持つ医師に相談することが重要です。
傷跡の状態や体調に応じて、定着しやすい方法を提案してもらえる信頼できるクリニックを選ぶことが、良い結果を得るためには不可欠です。
自毛植毛の副作用について
自毛植毛には一般的に高い安全性がありますが、いくつかの副作用が発生することがあります。以下ではその主な副作用について説明します。
感染症
頭皮を清潔に保ち、正しいアフターケアを行うことで感染症のリスクはほとんどありません。しかし、適切な管理が行われない場合、施術部位から細菌が侵入し、感染症が悪化することがあります。稀に、感染がひどくなり、再手術が必要となるケースもあります。
移植毛のくせ
移植した髪がくせ毛になることがあります。これは、毛髪を移植する際の角度や配置が影響するためです。高度な技術を持ったクリニックでも、数パーセントの患者でくせ毛が見られることがあります。自毛植毛では髪質を変更することはできず、もともとくせ毛の方は、そのままの髪質が反映されます。
かゆみ
施術後、傷の治癒過程でかゆみが生じることがあります。これは傷が治る際にヒスタミンという物質が分泌され、神経に作用してかゆみを引き起こすためです。すべての人にかゆみが出るわけではありませんが、かゆみを感じることがあります。
出血
手術後2〜3日は移植部位や採取部位から軽い出血が見られることがありますが、通常は自然に止まります。もし4日以上出血が続いたり、大量に出血する場合は、施術を受けたクリニックに連絡することが必要です。
吐き気
まれに、麻酔の副作用として吐き気を感じることがあります。麻酔によって血圧が下がることが原因とされていますが、血圧が正常であれば、内服薬で対処可能です。
一時的な脱毛(ショックロス)
「ショックロス」とは、手術後に移植部分の周りから髪の毛が一時的に抜ける現象です。原因ははっきりしていませんが、手術後に髪のサイクルがリセットされることによるものです。この脱毛は一時的なもので、数ヶ月後には新しい髪が生えてくるので心配する必要はありません。
これらの副作用はほとんどが一時的であり、適切なケアを行うことで改善されますが、気になる症状が続く場合は担当の医師に相談することが大切です。
自毛植毛のデメリットについてのまとめ
ここまで自毛植毛のデメリットについて解説してきました。
痛みや腫れ、移植本数の制限などはありますが、自毛植毛は一般的に安全性の高い施術であると言われています。
しかし、デメリットや副作用を正しく認識したうえで、自毛植毛を行うかを判断するようにしましょう。