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[show_avatar email=7 user_link=authorpage display=show_name,show_biography]今回のお話は、年齢関係なく誰もが一生気になり続ける【お肌の老化】についてです。
この記事はこんなあなたにおすすめ!
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肌老化の仕組みをきちんと理解し、いつまでも美しく、若々しいお肌は本当につくることができるのか?徹底的に解説いたします!
この記事の監修にご協力いただいたドクター
私のクリニック目白 院長 平田 雅子先生
1960年生まれ
医学博士、皮膚科認定専門医、日本医師会産業医、国際中医薬膳師
日本大学医学部卒業
東京医科大学付属病院勤務
東京医科大学付属八王子医療センター助手
同大学助手を退職後、女性専門医療に携わる。臨床の第一線に立ち、毎日500名以上の患者様の診療にあたる。
2003年、医療法人社団 育生会 私のクリニック目白 開設 理事長兼院長
皮膚を通して全身を診る女性のためのクリニック。ただ薬を出すだけではなく、食事や生活面のアドバイス、再生医療、美容治療など、元気で美しくなるために、患者様の健康生活をデザインするクリニックです。よくお話を伺って診察いたします。
医療法人社団 育生会 私のクリニック目白
〒171-0031 東京都豊島区目白1-4-1 JR東日本ホテルメッツ目白1階/JR山手線 目白駅 徒歩1分
Tel: 03-5992-5550 電話受付時間:10:30-19:00 休診日:火・日祝
https://www.watashino.jp
肌が老化する4つの原因を徹底解説!
肌の劣化や老化に大きく影響を与えるのは、外界に直接肌が晒されていることによる【外的要因】と、食生活や精神的な作用などによる【内的要因】、この2つがあります。
正常に機能している肌状態であれば、本来の防御機能が働き、外的刺激から自身の肌を守ろうとする力があるのですが、外的要因や内的要因の負荷が加わることで、その防御力が著しく低下することがあります。
こちらではその外的要因と内的要因を含んだ、直接的な肌老化の原因について、さらに詳しく掘り下げていきます。
肌老化の原因①8割が「光老化」
米国皮膚科学会では、老化の約80%※1が【光老化】が原因であると考えられています。※1コスメの教科書第2版 P113参照
光老化とは紫外線を浴びることによるダメージを指します。
紫外線によるダメージは真皮まで到達し、コラーゲン線維やエラスチン線維を分解する酵素の産生を増加させます。そうすると肌は乾燥し、シワを誘引し、タルみを引き起こす原因になります。
では、なぜ紫外線は老化を引き起こすのでしょうか。
紫外線が老化を引き起こすといわれる理由
そもそも太陽は長さの異なる5つの波長を放出しています。
5つの波長との中に紫外線が含まれており、その紫外線はA波、B波、C波の3つに分かれています。
有害なB波の一部とC波は、地球を包むオゾン層に吸収されて地上には届きません。(但し地球温暖化などオゾン層破壊が進むと紫外線B波やC波が伸長することが懸念されています)
今、私たちが最も影響を受けているのは、紫外線A波と一部紫外線B波です。この2つの波長が光老化を引き起こしています。
《紫外線A波~UV-Aとは~》
紫外線の中でも最も波長が長いA波は、地上に到達する紫外線の約95%※2を占めています。※2コスメの教科書第2版 P121参照
生活紫外線であり、洗濯物を干したり買い物に少し出かけるなどで、いつの間にか焼けてしまう現象の根源です。
皮膚を黒化させ(サンタン)、肌のハリや弾力を保つコラーゲン繊維やエラスチン繊維を変性し、シワやたるみになっていきます。
《コンシェルジュ虎の巻》サンタンって?
日に焼けて肌が黒くなる現象のことをサンタンと言います。UV-Aの影響が強く、目に見えて黒くなるために判別しやすい症状です。有害な紫外線から体を守ろうとする防御反応と言えます。
《紫外線B波~UV-Bとは~》
とても散乱性が強いため、さまざまな方向から地上へ届いてしまいます。
皮膚の炎症を起こすサンバーンや、肌を黒化するサンタン、さらにはシミやそばかすを引き起こします。
《コンシェルジュ虎の巻》サンバーンって?
日に焼けて肌が赤くなる現象のことをサンバーンと言います。UV-Bを受けた部分が炎症を起こし、ひどい場合はやけど同様の水疱ができます。
紫外線を浴びてから8~24時間※3でピークに達し、炎症は数日間続きます。※3コスメの教科書第2版 P121参照
サンバーンを繰り返すと遺伝子も損傷し、皮膚がんの要因にもなることが分かっています。
上村
肌老化の原因② ターンオーバーの乱れ
肌の最も外界に触れる部分(表皮)が日々細胞分裂を繰り返し、肌が生まれ変わっていく新陳代謝のことをターンオーバーと言います。
ターンオーバーは28日が最適と言われていますが、年齢や環境によってそれは大きくずれてきます。
「ターンオーバーが大きくずれるってどういうこと?」
ターンオーバーがずれることを“ターンオーバーの乱れ”と言います。年齢を重ねるとターンオーバー周期は徐々に遅くなります。
例えば、
- 10代であれば約20日
- 20代で約28日
- 30代で約40日
- 40代で約55日…
学生時代は枕の跡は洗顔後にすぐ消えていたし、傷もすぐに薄くなっていたような…。いつまでも肌荒れが治らなかったり、吹き出物の跡がシミっぽくなったりと、年齢によるターンオーバー周期の遅れは当然の現象なのです。
さらには、ターンオーバー周期が遅いということは、古い角質が剥がれ落ちずに長期間表皮に残っているということですので、ずっとくっついたままの状態が何日も続くことになります。
この古い角質が溜まってしまうことを“角質肥厚”と言い、肌がゴワつき、くすんで見えます。年々肌が硬くなり、黄ぐすみや黒ぐすみが発生するのは、そういった理由からなのです。
では、ターンオーバー周期は早ければ早いほど良いのかと言いますと、実はこれも老化を早める原因になります。
「遅くてもダメ、早くてもダメ?」
ターンオーバーが早まるということは、まだ成熟していない未熟な細胞が角質層に到達してしまいます。未熟な細胞とは、
- 保水力、保湿力機能が弱い
- 外的刺激と戦える力がない
つまり、肌のバリア機能が低下するということです。
ターンオーバーは、“基底層”⇒“有棘層”⇒“顆粒層”⇒“角層”と、古い成熟した細胞が順を追って剥がれ落ちてくる仕組みです。
遅くなると、古い細胞がずっと表皮に残ることになり、その中にはメラノソームも含みますので、角質が厚くなり、シミが増える結果になります。
早くなると、まだ生まれて間もない細胞が無理に上へ上へと押し上げられるため、紫外線や刺激、細菌などの有害な刺激から体を守ることができません。真皮までダイレクトに刺激が伝わりやすくなり、ダメージが大きいと言えるでしょう。
つまり、年齢による適正なターンオーバーと、症状に応じた適切なケアが、健康で美しい肌を保つ大きなポイントのひとつになります。
そんなターンオーバーの乱れは、前述のように“年齢によるもの”と、そのほか生活習慣やライフスタイルも密接な関係があることが分かっています。
寝不足、ストレス、極度の疲労、喫煙、アルコールの多量摂取、無理なダイエット、食生活の乱れ、冷え
思い当たることはないですか?
ホルモンの作用も強く影響を受けてしまうと考えられているターンオーバーの乱れ。
肌老化の原因③ 活性酸素
皆さんは【活性酸素】という言葉はきいたことがあるでしょうか。
活性酸素と聞くと、まるで元気の良い酸素のようなそのネーミングに良い印象を持たれている女子も多いのでは?
しかし、この活性酸素は、実は私たちにとって有害な物質なのです。
酸素は、私たち人間にとって生きていく上で必要不可欠なものですが、この酸素は体内で変質した電子や分子になります。この変質は、特に活性が強く健康な細胞を破壊していく恐ろしい分子です。
この分子を“フリーラジカル”と言います。
大気汚染やオゾン層破壊による紫外線の増加などによって、このフリーラジカル、現代では非常に発生しやすい環境になっています。
フリーラジカルは一つの分子なのですが、他の分子から強引にペアを作ろうとします。分子の中には電子がいて、その電子を奪い取られた分子を『酸化された』と言います。
酸化とは、何かに酸素が結び付く働きのことです。
りんごを切ると黄色く変色が始まったり、鉄が錆びたりする現象は全てこの酸化による結果です。
これらの現象と同様のことが肌でも起こっています。
フリーラジカルの攻撃を受けると皮脂が酸化し、肌の錆びに変化。これは吹き出物などの原因になります。
さらに、真皮でフリーラジカルに攻撃されると、シワやタルみを引き起こし、ひとたび酸化が始まってしまうと連鎖的に次々と広がっていきます。
お肌の老化は“酸化”も大きな原因の一つなのです。
肌老化の原因④ 糖化
最後の肌老化の原因は【糖化】です。
酸化は皆さん聞いたことがある方もいらっしゃると思いますが、糖化はあまりご存知ない方も多数いらっしゃいます。
糖化とは一体何なのでしょうか。
糖化とは一言で言うと、タンパク質や脂質が糖と結びつく事象を指します。
分かりやすく言うと、ホットケーキを作るときに焼けていく過程でどんどんと褐色に変色していくのをイメージしやすいかと思います。ホットケーキに含まれる砂糖が、牛乳や卵のタンパク質と結びついて黒く焦げていきます。
この作用が人間にも同じく体内で変性していくと驚くような現象が起きます。
糖化によってコラーゲン繊維が破壊されると肌は弾力を失い、ハリがなくなります。また、生み出された老廃物が細胞に付着すると、肌はくすみ、シミは増え、透明感が消えていきます。
ホットケーキの焦げ現象が人の肌にも起きるとは…なんと恐ろしいことでしょうか。糖化とは自ら肌を焦がしていく現象なのです。
肌老化を防止するには?
老化の4大原因をお話してまいりましたが、皆さんお気づきになりましたでしょうか。
毎日スキンケアを怠らず、紫外線を予防し、ストレスを溜めない、規則正しい生活を心がけていても、どうにもならないことがあるということ。
私たちは呼吸し、食事を摂り、睡眠と栄養摂取を繰り返していますが、この生きていくことに必要不可欠な活動自体が老化を引き起こしているという事実です。
はたして、老化を予防したり、対策することはできるのでしょうか?
・「光老化」対策
「老化の原因は約8割が光老化※1」とあるように、シミだけではなく、シワやタルみまで引き起こす光老化。
逆に言えば、光老化を防ぐことで、老化はある程度の防止もしくはスピードを遅らせることができると言えます。
光老化の原因は、簡単に言うと紫外線を浴びることです。紫外線を浴びると皮膚の中では活性酸素が発生し、肌のハリや弾力を保つコラーゲン繊維やエラスチン繊維を破壊していきます。
肌の老化を促進させない最も良い方法は、肌の上で紫外線をカットすることです。
紫外線をカットする方法は基本的には2通りあります。
1つは“紫外線を吸収する”。
2つ目は“紫外線を反射させる”です。
“紫外線を吸収する”とは、肌の上に紫外線吸収剤を塗布すると、肌の中に有害な紫外線が侵入する前に吸収してしまうので、皮膚に紫外線を到達させません。
ガラスによくあるUVカットガラスなどにも紫外線吸収剤が使用されていることがあります。化粧品だけではないのですね。
その一方で“紫外線を反射させる”とは、光を散乱させて、はね返すために皮膚への紫外線侵入を防ぐことができます。
分かりやすく言うと太陽を鏡でブロックするようなイメージです。化粧品にも配合されていることが多いですが“紫外線散乱剤”と言います。
皆さんお持ちの「UVカット日傘」などで銀色の加工がなされているものがありますが、これは“紫外線を反射”させています。紫外線をカットするには、日傘を使うほかにも下記のような方法があります。
- UVカットシャツを羽織る
- UVカット手袋を着ける
- UVカット帽子をかぶる
- UVクリームをムラなく塗布する
簡単に行えるのは身に着けることですが、傘は邪魔だったり、手袋は暑かったりと、現実的には他の煩わしさがあるのも事実…。
しかし、そんな面倒くさがりさんも安心のアイテムは最近ではたくさん販売されています!紫外線を肌に侵入させないようにする、UVカット効果のあるアイテムをご紹介しましょう。
《UVカットの日傘》
「日傘を持ち歩くのが面倒!」という、そんなあなたにはショートパラソルはいかがでしょう?
ロングだと邪魔だし、折り畳みだと畳むのが面倒…。しかし、ショートパラソルならバッグにも入って、折りたたむ必要もなく、少し小ぶりなので通行の邪魔にもなりにくいですね!
《UVカットのシャツ》
「UVカットシャツはおしゃれじゃない」少し前のUVカットシャツは、大きめゆったり、羽織るだけのおしゃれとは程遠いようなデザインばかりでしたが、最近ではサラリと軽やかに着こなせる、さまざまなデザインが出てきました。
それなら好みに合わせて選べそうです!
《アームカバー》
「手袋は暑い…」真夏の暑い季節に真っ黒い手袋。さすがに着けたくないですよね。
しかし、最近はひんやり素材の手袋がたくさんあります!着けたほうがひんやり涼しく、そして、実は直接太陽光を浴びるよりも、一枚身に着ける方が体感温度は下がると言われています。
《帽子》
「UV帽子はヘアスタイルが乱れる!」帽子をかぶると髪型はぺちゃんこになる。これは物理的に当然の現象ですが、できるだけ締め付けない、ムレにくいといった夏用のUV帽子をたくさんのメーカーが開発しています。
《紫外線予防サプリ》
あと昨今では紫外線予防サプリというものも毎年続々と発売されています。
サプリの紫外線防止ロジックは“吸収する”でも“跳ね返す”でもなく、全く異なる仕組みでブロックしてくれています。
こまめにUV対策ができない方や、持ち歩きが面倒な方にはうってつけのアイテムです。
詳しくは下記ページにまとめています。
《化粧品によるUVカット》
残る紫外線対策問題は“化粧品のUVカット”です。
先ほど紫外線をカットするには、化粧品では“紫外線吸収剤”と“紫外線散乱剤”の2種類があるとお話しました。一体どう違うのでしょうか。
“紫外線吸収剤”は化学合成成分です。一方で“紫外線散乱剤”は天然由来の原料が多数開発されています。
紫外線吸収剤は、紫外線を取り込んで化学反応を起こし、紫外線をカットしています。
例えば、ターンオーバーの異常などで皮膚が薄くなっていたり、肌荒れを起こしたりしているときは、その化学反応が刺激となって痒みが出たり、赤くなったりする方がまれにいらっしゃいます。
そうなると「“紫外線散乱剤”だけを使い続ければいいじゃない!」と考えがちなのですが、日本国内の化粧品大手企業も“紫外線吸収剤”を配合しているアイテムは多数存在しています。
その理由はそれぞれに引けをとらないメリットがあるからです。わかりやすく表にまとめてみましたので参考にしてください。
紫外線吸収剤 | 紫外線散乱剤 | |
---|---|---|
肌刺激 | 感じる人がいる | 低刺激 |
持ちの良さ | 化学反応効果が低減するため、塗り直しが必要 | 汗で流れやすいため、塗り直しが必要 |
皮脂耐性 | 強い | 弱い |
塗り心地 | サラサラ | べったり |
白浮き | 透明で白浮きなし | 白浮きする ※ナノ化技術で白浮きしないものもある |
それぞれの成分は、それぞれの個性を持ち、メリット・デメリットがあり、どちらが絶対に良いという正解はありません。
また、最近では化粧品研究も進んでおり、肌への刺激が限りなく最小限に抑えられるようになってきているため、一概に“紫外線吸収剤”を悪者にするのはいかがなものかと筆者は考えます。
原料や処方も大切ですが、最も配慮すべきは、
『ムラなく塗ること』
『SPF値によって効果的な時間を理解し塗りなおすこと』
『きちんと落とすこと』
だと思っています。
【SPF値って?】
【SPF】とは【Sun Protection Factor(サンプロテクトファクター)】の略です。UV-Bをカットする効果を数値化したものです。
“サンバーン(赤くなるやけど状態)が起きるまでの時間を何倍に伸ばせるか”を目安にできる基準です。
人によってサンバーンが起きる時間は異なりますが、一般的に日本人の場合は真夏の晴れた海水浴場で、色白さんは約20分、普通肌さんで約25分、色黒さんの場合は約30分で肌が赤く日焼けする現象が起こります。
普通肌さんがSPF値24のUVカットクリームを塗布したとしましょう。その場合のUV-Bカット時間は以下の計算になります。
普通肌さんのサンバーンまでの時間25分 × SPF値24=600分=10時間
※塗布量により異なります
SPF24のUVカットクリームを塗らなかった場合は約25分でサンバーンを起こしますが、塗った場合は24倍の時間、防止する効果があるということになります。
【PAとは?】
【PA】とは【Protection Grade of UV-A(プロテクショングレードオブユーヴイエー】の略です。+(プラス)の数でUV-A防止効果を表しています。
UV-Aとは、サンタン(肌の黒化)を引き起こす原因の有害な波長です。
紫外線量というのは、季節や場所によって大きく異なります。
- 長時間紫外線に晒される可能性が高い海や山といったレジャー→汗や水に強いウォータープルーフや国内最高値レベルの日焼け止め
- 屋外で軽くウォーキング→SPF30程度で充分紫外線はカット
- 洗濯物や買い物など、長時間外に出ないレジャー地の場合→生活紫外線を防げるレベルのSPF20程度でも効果を発揮
このように、使い分けとこまめな塗り直しがポイントです。
また、紫外線は一年を通してずっと降り注がれています。実は微量ではありますが、太陽の出ていない夜も紫外線は存在しています。
ただし夜は肌に影響を与えるほどの量ではありませんので、日焼け止めを塗る必要はありません。
そして、冬もずっと降り注がれています。UV-Aにおいては一年を通して注意が必要です。
ピーク時は4月~8月ですが、それ以外の月でもピーク時の半分以上の量は降り注がれている※4ため、ずっと予防はし続けてください。※4日本ロレアル㈱Webサイト参照
また、太陽が日照しているから日焼けするという考えは持たないようにしましょう。
雲がかかっている日でも、快晴日の約80%以上※5は紫外線量があるため、しっかり対策をしてください。※5国土交通省気象庁ホームページ参照
気を付けなければならないのは、紫外線は上からだけではなく下からも攻撃してきます。
コンクリートや砂は紫外線の照り返しがあります。特に海や雪は大変反射するため、照り返しUVも気を付けなければなりません。
このように、紫外線を防止することが、いかに大切で大変なことか、ご理解いただけたと思います。
紫外線防止アイテムを駆使し、ご自身のライフスタイルに合ったUV化粧品で『これ以上に絶対、紫外線に肌をさらさない!』という気持ちを持って、老化をできるだけ防ぎましょう。
・ターンオーバーの乱れを整えるには?
ターンオーバーとは、お肌の新陳代謝のことです。
その新陳代謝は加齢や紫外線、ライフスタイルによって簡単に早まったり遅くなったりしてしまいます。年齢に応じた適正スピードが最も理想的なサイクルですが、簡単に乱れてしまうのがターンオーバー。
乱れる原因を突き止めることは難しいのですが、少しでも改善するにはどうすればよいのでしょうか。
①スキンケアの見直し
スキンケアの見直しと言っても、お使いの化粧品をエイジングケア系に変えるわけではありません。
やり方の見直しが大切なのです。
あなたのいつものお手入れ方法に、次にやっている動作があるかチェックしてみてください。
✔洗顔はゴシゴシしっかりと洗う
✔クレンジングは一所懸命メイクを落とす
✔ピーリングやピールオフパックを愛用している
✔毎朝毎晩お湯で洗顔する
✔洗顔後のツッパリ感が好きだ
こちら、一つでも当てはまる項目があるとあなたのお肌はターンオーバーが乱れているかもしれません。
肌老化の原因 ターンオーバーを整えるには正しいスキンケア
- 洗顔はよく泡立てて肌を撫でるように、やさしく包み込むように洗う
- クレンジングはゴシゴシこすらず、できるだけ皮脂を奪い取らない剤型や成分のものを選ぶ(筆者おすすめはミルククレンジングです!)
- ピーリングは必ず夜に、使用頻度は週に1回程度、真夏や真冬はさらに医控えめににしましょう
洗顔のときは、水がおすすめです。お湯もぬるま湯も、肌の油分も流れ出てしまいます。
また、ピーリングは、定期的ではなく、『なんとなく肌がゴワついている』など、感覚で肌感触が固いと感じたときに行うなど、お肌の状態と相談することが大切です
洗顔後、ピーリング後のスキンケアは『大切に、ていねいに』を心がけてお肌を労わってあげましょう。
②栄養摂取の見直し
私たちは普段、食べ物から栄養を摂っています。
お肌の栄養成分も食物から摂っており、私たちの体は摂取する栄養分で未来の体を作っています。
もしお肌の調子が悪く感じたら、食生活の見直しもしてみましょう。
《良質なたんぱく質を摂取しよう》
タンパク質は皮膚を再生する作用があります。肉、魚介、乳製品、卵、大豆など、積極的に摂取しましょう
《多種多様なビタミンをバランスよく摂取しよう》
- ビタミンAは新陳代謝を高めるため、ターンオーバー改善に直結します(レバー、モロヘイヤなど)
- ビタミンBは肌を再生促進させるため、傷ついたお肌の修復をします(豚肉、しじみなど)
- ビタミンCはシミの付着を防止します(キウイ、柑橘系果物など)
- ビタミンEは、血行を促進することで新陳代謝を上げると言われています(アーモンドなど)
不摂生の先に美はないということを、今一度認識しなければなりません。
③生活習慣の見直し
正しくスキンケアを行い、バランスの良い食生活を送っていたとしても、いつもの生活習慣で減点になることもたくさんあります。
あなたはこんな行動をしていませんか?
✔睡眠不足が続いている
✔寝る時間が12時を回ることが多い
✔手足を温めない
✔喫煙者である
✔毎日アルコールを呑んでいる
✔ストレスを強く感じるときがある
なかなか全てを改善するわけにはいきませんが、簡単なことから少しずつ習慣づけることはできるはず。
例えば…
- 睡眠不足にならないよう、入浴の時間を決めてすぐに眠るという習慣を身に着ける。
- 季節を問わず、手首と足首だけは素肌をさらさない
- ストレスが溜まらないようにスポーツを始める
加齢とともにターンオーバーのスピードは遅くなりますが、毎日のちょっとした改善でターンオーバーの乱れは整えることができます。
ターンオーバーを整えることは、バリア機能を高めることになりますので、最大のエイジングケアと言えます。
・活性酸素除去におすすめの成分は?
活性酸素とは、私たちが生きていく上で必要な酸素がフリーラジカル化したものです。この活性酸素を除去することができれば、お肌の酸化を防ぐことに繋がります。
活性酸素をにアプローチしてくれる、いわゆる“抗酸化成分”と呼ばれる化粧品配合成分はいくつかあります。順にご紹介していきます。
・SOD
SODとは、スーパーオキシドジスムターゼと言い、酵素でできている抗酸化成分です。私たちの体内にも存在しており、強い抗酸化力があるとされています。
・フラーレン
抗酸化力はビタミンCの172倍※5と言われており、ノーベル化学賞受賞成分として知られています。※5ホメオバウWebサイト参照
・酢酸トコフェロール
水に溶けないビタミンE成分です。安全性が高く、目薬などにも配合されています。
・アスタキサンチン
天然由来の抗酸化成分で、赤い色素をしているのが特徴。強い抗酸化力のある成分を摂取したときの副作用が出にくいとも言われています(プロオキシダント)
・糖化を防ぐのにおすすめの成分は?
『体の焦げ』と呼ばれる恐ろしい糖化。この糖化を防ぐ化粧品成分をご紹介します。
・ビタミンC誘導体
コラーゲンを生成する働きがあり、糖化でダメージを受けたコラーゲンを補います。また美白作用もあることで有名な成分です。
・αリポ酸
再生作用やエネルギー向上作用があるとされ、健康食品成分として人気があります。ただし、化学合成された物質が利用されています。
・クエン酸
柑橘系に多く含まれる成分です。ブドウ糖を燃焼する働きを高めるため強い抗糖化作用があると言われています。
これ以外にも炭水化物を摂りすぎない、ベジタブルファーストを心がける、ゆっくり食べるなど、血糖値を上げない工夫も必要です。
肌老化は何歳から?お肌の曲がり角はいつ?
老化とは一体いつから始まるのでしょうか?
細胞レベルから考えると、老化は生まれた直後つまり酸素を取り入れる呼吸をしてからもう始まっていると言えます。
細胞は日々分裂を繰り返していますが、加齢とともに細胞が入れ替わるスピードは遅くなります。
細胞の生まれ変わりができなくなると、機能低下した組織で生きていかなくてはならず、徐々に老化は進行していきます。
しかしそれは学術的な考え方です。
実際の見た目にはある一定の年齢まで人は“成長”と呼びます。
私が感じた「お肌の曲がり角」の時期
それまで私は、お酒を呑んで、深夜に帰宅し、メイクも落とさずに寝たりすることもしばしば…(今考えると恐ろしい!)
フェイスマスク?そんな面倒なことよりも毛穴すっきりピールオフの方が楽しいよ!とか言っていたり(除去だけではなく保湿の重要さを理解していなかった…)
多少寝不足が続いても、寝溜めでOK!とか(睡眠不足は最強の肌イジメです)
そんなお肌に悪い生活を送っていても翌日ウルプルピンピンだったのに、ある日突然、小鼻のあたりが粉をふいたように乾燥をしていたんです。
最初は「なんだこれ。なんか付いてる」と指で擦り取ろうとしていたんですが、それが古いゴワついた角質だったことに気がつきました。
それから私はピールオフパックが足りないのだと感じ、ほぼ2日に一度は小鼻ピーリングをしていました(無知って怖い)
しかしご想像通り、改善どころか症状は悪化。
「これがお肌の曲がり角なんだ…」と愕然とし、初めてカウンセリング型のデパコスを購入しました。
そこからの私は乾いたスポンジのようにぐんぐん化粧品知識を吸収しました。
悩みのタネだった粉吹き小鼻は乾燥が改善し、ニキビなどの吹き出物が出現することも圧倒的に減りました。
マッサージのやり方も覚え、サロンもご褒美として通う日々は、なんだか美意識の高い生活をしているようで、楽しかった記憶があります。
2度目に感じた肌老化
しかし、そんな私も第二段階の老化症状を認識します。
2度目の老化を感じたのは29歳です。
乾燥は、日々お手入れをした成果なのか、もともと脂性の部分も持っていたからなのか、あまり気にならなかったのですが、その当時に明らかに感じたのは“表情の影”でした。
ふとしたときに覗く鏡の中の自分に違和感があったり、夜の電車の窓に映った自分の顔を見たときにぎょっとしたり。
「シミが!」とか「シワが!」ではないんです。…なんだか影があるんです。
特に、目袋あたりと小鼻のキワに、影のような存在を感じていました。
今思えば、目袋の陰りは目のたるみ、小鼻のキワはほうれい線の延長線上にあるラインです。この時からたるみは進行していたのですね。
私はまた化粧品とサロン通いに勤しみました。このままでは一気に老け込んでしまう…そんな危機感がありました。
そんな悩みを抱えながら鏡を見るのが楽しくなくなった頃、私は会社で人事異動がありました。
今まで記事を担当していたのですが、化粧品の部隊へ異動することに。
今思えば、そこが今の私の原点だったのかもしれません。私は正しい情報と知識を身につけることができるよう、仕事を通じて学ぶことができました。
体も肌もそうですが、日々の食べ物やメンテナンスのやり方で将来の状況は変わってきます。
私のように、自分を労わることを知らずに肌を駆使し続けてしまうと、老化を感じる年齢も早いのではないでしょうか。
「今日の手間暇が明日の肌を作る」と言っても過言ではありません。
きちんと落とす、きちんと保湿、しっかり眠る、ゆっくり食べる、など当たり前のことを心がければ、お肌の老化は遅らせることができることでしょう。
ブツブツのイボも肌老化
イボも老化現象のひとつですが、その種類は2つあり、またイボではありませんが、イボに似ているものもありますので、あわせてご紹介します。
イボ=疣贅(ゆうぜい)
【老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)】
- 特徴:露出されている部位に多く、顔面、頸部(首)などに出やすい隆起したもの
- 原因:エイジング
【尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)】
※画像引用元:ふじさわ皮膚科クリニック
- 特徴:露出されている部位に多く、手指、膝、足底、顔面などに出やすい光沢のある隆起
- 原因:ささくれなどの小さな傷などからウィルス感染
イボに似ているもの
【稗粒腫(ひりゅうしゅ)】
※画像引用元:mamaクリニック
- 特徴:目の周りやこめかみなどにできる、白い色の小さな円形隆起
- 原因:古い角質が溜まり、ターンオーバーの異常によって排出されなかったため
【軟性線維腫(なんせいせんいしゅ)】
※画像引用元:四ツ池MEDICALVILLAGE
- 特徴:首や脇、まぶたなどにできやすく、小さな褐色の隆起
- 原因:老化現象による良性腫瘍、皮膚の摩擦や紫外線による老化促進
【脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)】
※画像引用元:KOMPAS
- 特徴:顔面や頭部にできる、シミが膨らんだようないびつな形
- 原因:ターンオーバーの異常によって排出されなかったシミが老化によって更に硬化
この中で特に皆さんが気になるのは【稗粒腫】と【軟性線維腫】ではないでしょうか。
実は私自身も【軟性線維腫】は首にいくつか発生しています。ハサミでも簡単に取れるそうですが、怖いので病院に行くべきですね。
ウィルス性の尋常性疣贅以外は全てターンオーバーの乱れや紫外線、老化現象によるものです。
できてしまう前に、紫外線を防止したり、UVクリームはきちんと落としたり、肌を擦らないなど、対策を取りましょう。
対策面では、ハトムギや杏仁油、バチルス発酵物など含有されている化粧品を使用し、お茶やサプリでも積極的に摂取しましょう。
特にハトムギの有効性は、民間療法としても昔から使用されており、現代でも病院で処方されることがあります。
ただひとつ、大切な注意点があります。皮膚にできる隆起物は重大な病気の可能性もあります。自己判断せず、病院で診察を受けましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
老化は誰にでも、必ず起こる自然現象ですが、止めることはできなくても症状を遅らせることはできるはずです。
今日の生き方が明日の肌を作り、明日の肌は未来のために生まれ変わる。
一度発生した老化をなくすことはなかなかできませんが、いつまでも若々しく、美しい女性でいれるよう、お手入れの見直しを定期的に行いましょう。
お友達同士、お姉さんや妹さん、お母様にも情報発信していただき、健康なお肌作りのためにぜひ参考にしていただきたいと思います。