尾崎まり江
今回は、美白化粧水の効果について。
プチプラ〜デパコスまで、さまざまな価格帯の美白化粧水がありますが、一体何を基準に選べばいいのでしょうか?
ここでは、美白化粧水の効果のほかに、シミの種類や美白成分の働きについて解説しています。
美白化粧水選びに迷ったら、ぜひ参考にしてくださいね。
美白化粧水に期待できる効果とは?
まず、美白化粧水の効果についてですが、
- できてしまったシミをすぐに消す
- 本来のお肌よりも白くなる
という効果に期待して使うのはやめましょう。
美白化粧水を使う目的は、「メラニン色素の生成を抑制してシミを予防すること」なのです。
そのため、じっくりと使い続ける必要があります。潤うことで、透明感が出るように感じる場合もありますが、実際に肌の色が変わっているわけではないので、過度な期待はしないようにしましょう。
美白成分の種類とその効果
では、どんな美白成分があるか、効果とともに解説していきましょう。
・メラノサイト内の酵素チロシナーゼを抑制する美白成分
《アルブチン》
コケモモなどの植物に含まれている成分で、メラノサイト内の酵素チロシナーゼを抑制することで、過剰なメラニンの生成を抑えてくれます。
《エグラ酸》
いちごやラズベリー、ざくろなどのフルーツや、ユーカリなどに含有するポリフェノールの一種です。
メラノサイト内の酵素チロシナーゼの働きを阻害して、シミやソバカスを防いでくれます。
《ビタミンC誘導体》
ビタミンC誘導体は、不安定で肌に浸透しにくいビタミンCを安定かつ浸透しやすい形に改良した、抗酸化作用もある成分。メラノサイト内の酵素チロシナーゼを抑制して、シミやソバカスを防ぎます。
《プラセンタエキス》
プラセンタは、豚や馬の胎盤から抽出した成分で、メラノサイト内の酵素チロシナーゼを抑制します。アミノ酸も豊富で、保湿効果にも期待できます。
《マグノリグナン》
ポリフェノールの一種で、モクレン科ホオノキの樹皮に多く含まれています。
メラノサイト内の酵素チロシナーゼを阻害する働きがあります。
《ルシノール》
もみの木に含まれている成分をもとに開発された成分で、メラニンが生成される過程、酵素チロシナーゼとチロシンの合体を防ぐことで、メラニンの生成を防ぎます。
《コウジ酸》
日本酒やしょう油を製造する過程でできる麹のコウジ菌が作り出す成分。
メラノサイト内の酵素チロシナーゼの働きを抑制してくれる働きがあります。
《トラネキサム酸》
トラネキサム酸は、抗炎症剤として使われる成分で、メラニンを生成する細胞メラノサイトの活性化を抑制する働きがあります。
肌内部の微弱炎症にもアプローチしてくれる成分です。
《4MSK》
サリチル酸の誘導体で4-メトキシサリチル酸カリウム塩の略称。
メラノサイト内の酵素チロシナーゼの活性を抑制するだけでなく、慢性角化エラーにも作用して、溜まったメラニンを排出してくれます。
《慢性角化エラー【まんせいかくかえらー】とは?》
「消えるシミと、消えないシミがあるのはなぜか」という疑問に資生堂が導き出した新知見。通常、メラニンは肌の生まれ変わりとともに肌表面へ押し上げられ、最後は垢となってはがれるが、シミ部位では皮ふの色に異常があるだけではなく、慢性的に角化※のプロセスが乱れていることが明らかになった。このため、メラニンが肌の中で逃げ場を失って絡みつき、消えないシミとなっていた。
※表皮が生まれ変わるプロセスで、角化細胞(ケラチノサイト)が一番下部にある基底層で分裂・増殖した後、性質や形態を変化させながら有棘層、顆粒層を経て角層を形成する段階のこと。
引用元:資生堂シミ予防研究所
・肌のターンオーバーを促進させる美白成分
《AMP》
アデノシン-リン酸ニナトリウムOTが正式な登録名。細胞のエネルギー代謝を高めて、肌のターンオーバーを促してシミを排出します。
《プラセンタエキス》
動物性のプラセンタには、成長因子が含まれていて、肌のターンオーバーをサポートします。
《リノール酸S》
紅花油などから抽出されるリノール酸の美白効果をさらに高めた成分。
メラニン生成に欠かせない酵素チロシナーゼを分解して、メラニンの生成を抑制してくれという働きのほか、肌の生まれ変わりをサポートしてくれます。
・メラニン生成を抑制する美白成分
《カモミラET》
ハーブのカモミールから抽出された成分で、メラニン生成司令物質エンドセリンを抑制することで、メラニンを生成する細胞メラノサイトの増殖や活性化を抑える働きがあります。
・沈着した色素を還元する美白成分
ビタミンC誘導体
ビタミンCそのものは、メラニン生成の過程で還元作用やメラニンの淡色化作用があります。ただ安定性が悪く、化粧品に配合することが難しいため、安定性の高いビタミンC誘導体が開発されました。
ビタミンC誘導体は、皮膚に浸透すると、皮膚内の酵素に分解されて、ビタミンCに変換。ビタミンCと同様の働きをしてくれます。
ハイドロキノン
イチゴやコーヒー、麦芽などに天然の形で含有されているハイドロキノン。
還元作用があることから、写真の現像に使われています。現像していた人の肌が白くなったため、美白作用があることが発見されたという成分です。
今では、別名「皮膚の漂白剤」と言われ、シミを消すのに効果を発揮するとして、クリニックでも処方されています。
2001年の規制緩和で化粧品にも配合されるようになりましたが、処方されるハイドロキノンに比べると低濃度です。安定性も高くなるよう開発されているので、保管方法も一般的な化粧品と同じように扱ってOKです。
シミのタイプとアドバイス
《老人性色素斑(日光黒子)》
私たちが「シミ」と呼ぶ一般的なタイプで、紫外線によって、または肌の老化が進んでメラニン色素が蓄積することで発生するシミです。
尾崎
《おすすめ美白成分》ビタミンC誘導体、トラネキサム酸
《炎症後色素沈着》
ニキビや肌荒れ、ケガ、虫刺されなどで炎症を起こして治った後にできるシミ。自然に消える場合もあります。
《おすすめ美白成分》ビタミンC誘導体、トラネキサム酸
《雀卵斑(そばかす)》
鼻~頬にかけてある、点状で茶褐色のいわゆる「そばかす」と一般的に呼ばれているシミ。遺伝など先天的なものであることが多く、幼児期~思春期にかけて目立ってくる。
《おすすめ美白成分》アルブチン、4MSK、コウジ酸、ビタミンC誘導体など
《肝斑(かんぱん)》
両頬や目の下などに左右対称にできるシミで、はっきり解明されていないけれど、女性ホルモンのバランスが関係していると言われています。30~40代の女性に多くできるシミタイプです。
《おすすめの美白成分》トラネキサム酸
《日光性花弁状色素斑》
肩から背中にかけて、点状で広範囲にできるシミのことで、老人性色素斑同様、紫外線の影響によってできます。
《脂漏性角化症(老人性疣贅)》
イボのように固くなったり、盛り上がったりしているシミ。皮膚の老化が原因で、広がったり、数が増える可能性がある。
美白化粧水の効果的な使い方
500円玉くらいの量を手に取り、両手でなじませてからお顔に塗布します。
両手の平全体で顔を包み込むようにして、じっくりとハンドプレスで成分が浸透するのをイメージしながら軽く押さえます。乾燥しやすい部分には重ねづけしてください。
使用量は、お使いのメーカーが推奨している目安量を守りましょう。少なすぎると、効果が発揮されません。
美白化粧水の保管方法
暑い夏はさっぱりとした使用感で使いたいと、冷蔵庫に保存したくなりますが、メーカー側から「冷蔵庫に保存してください」という指示が特にない場合は、常温で直射日光を避けて保存してください。
血行が良くなっているお風呂あがりやホットタオルで温めた後の方が成分の浸透がよくなります。特に化粧水は一番始めに肌に使うもので、成分が浸透しやすいアイテムです。
スキンケアのはじめに冷やしてしまうと、毛穴が縮こまり成分の浸透力を低下させてしまいます。
一番NGな保存方法は、気温差が激しい状態です。冷蔵庫に入れてみたり、日中、気温が上がる部屋に置きっぱなしだったりをしていると劣化が早く進むので気をつけましょう。
美白化粧水の消費期限について
メーカーによって異なります。
オーガニックコスメや無添加化粧品などで、防腐剤を使っていない、または天然由来の防腐剤を使っている場合は、未開封でも数ヶ月という消費期限が設けられている場合があります。
一般的な化粧品は、未開封なら製造日から3年以内というものが多いでしょう。開封してしまうと、酸化も進むため、できるだけ早く使うことをおすすめします。目安は約3ヶ月です。
まとめ
シミやくすみは見た目年齢を上げてしまう要因です。
白く透明感のある肌は、いつまでも若々しく見られる条件の一つです♪
紫外線の影響を受けないように注意することが一番重要ですが、いつでも肌状態を整えて、シミの残りにくい肌を保ちたいですね^^