尾崎まり江
今回ご紹介するのは、セラミドクリームとしても知られるキュレルの「潤浸保湿クリーム」です。
キュレルに配合されているセラミドやその保湿効果について解説していきますね!
敏感肌・乾燥肌におすすめされるキュレルとは?
まず、キュレルというブランドをご紹介していきますね!
キュレルのコンセプト
キュレルを開発した花王は、信頼できるスキンケアを作りたいという思いで、いち早くお肌に必須成分「セラミド」に注目し、世界で初めて「セラミド機能成分」をスキンケア製品に配合しました。
1999年に誕生して以来、キュレルはお肌の悩みだけでなく、全身ケアもできるようにと、ボディケア商品やヘアケア商品などラインアップも豊富です。
BBクリームなどの、ベースメイクラインも誕生。メイクで肌荒れを起こしがちな敏感肌の方にも好評です。
乾燥性敏感肌のためのスキンケア
キュレルは、乾燥性敏感肌の「セラミド不足」に注目して作られたスキンケアブランドです。
乾燥性敏感肌とは
セラミド不足により、肌のバリア機能が低下、肌が荒れやすい状態になっているお肌のことをいいます。外部刺激にも弱くなり、乾燥と肌荒れを繰り返します。
乾燥性敏感肌のセラミド不足が改善すれば、肌のバリアも回復し、外部刺激を受けても肌荒れしにくい、自分で潤えるお肌になります。
【医師監修】肌のバリア機能とは?間違ったスキンケアが肌トラブルを招いているかも?キュレルの保湿クリーム「潤浸保湿クリーム」に配合されているセラミドとは?
実は、キュレル保湿クリームに配合されているのは、セラミドではなく「セラミド機能成分」という成分です。
セラミド機能成分とは?
セラミド機能成分とは、キュレルが開発した「疑似天然セラミド」です。つまり、セラミドと同じ働きをしてくれる成分のこと。
疑似セラミドは、大量生産できるので値段が安いというメリットがあります。キュレルのスキンケア商品がお手頃価格で買えるのも、そういった理由があります。
反対にデメリットを挙げると、ほかのセラミドの種類に比べて、保湿効果に欠けることです。
セラミドの種類について
セラミドは表皮の一番上にある角質層にあり、細胞と細胞の間を埋める役割をしている細胞間脂質の1つに分類されます。
細胞間脂質は、水分を蓄えて保湿する役割と、細胞間を埋めることで外部からの刺激に強いお肌を作ってくれる役割を持っています。
セラミドは、細胞間脂質の50%を占める重要な成分なので、セラミドが不足すると、お肌が乾燥したり、外部からの刺激が弱くなり肌が荒れやすくなったりしてしまいます。
健康な状態のお肌はセラミドが含まれている細胞間脂質と天然保湿因子が交互に並んでいる、よく見る細胞の図のような状態が肌荒れ知らずのお肌の状態なんです。
なので、乾燥肌や敏感肌で肌荒れしやすいという肌には、セラミドを補充してあげるのが効果的です。
ただ、化粧品に配合されているセラミドには、いくつかの種類があり、保湿効果に優れているものとそうでないものがあります。
・化粧品に配合されているセラミドの種類とその効果
ヒト型セラミド
化粧品に配合されているセラミド、一つ目は、人間のお肌にあるセラミドと同じ構造をしている「ヒト型セラミド」。
発明された順に、番号がついています。それぞれの効果は下記の通り。
- セラミド1:水分保持機能、優れたバリア機能
- セラミド2:水分保持機能
- セラミド3:水分保持機能、シワの深さを軽減
- セラミド4:脂質のバリア生成と保持
- セラミド5:脂質のバリア生成と保持
- セラミド6Ⅰ:水分保持機能、ターンオーバ―促進、シワの深さを軽減
- セラミド6Ⅱ:水分保持機能、ターンオーバ―促進、シワの深さを軽減
セラミド1はお肌を守る機能が優れていて、セラミド2とセラミド3は他のセラミドよりも高い保湿力を持っていると言われています。コスメに配合されることが多いのも「セラミド2」や「セラミド3」です。
天然セラミド
天然セラミドとは、馬などの動物の脳や脊椎などから抽出されたセラミドで、ビオセラミド、セレブロシドと呼ばれることもあります。
動物から抽出されているので、人間の細胞間脂質(セラミド)の構造と似ており、保湿力に優れているため、アトピー性皮膚炎の肌の保湿に適しています。
馬から抽出されたセラミドは、化粧品成分としては「マスフィンゴ脂質」と記載されています。
植物性セラミド
植物性セラミドとは、植物から抽出されたセラミドのことをいいます。
例えば、お米から作られたセラミドは、スフィンゴ糖脂質と表示されています。
植物性の中のセラミドを細かく分類すると、ヒト型セラミドと同じ構造をしたセラミドもあります。
植物性というとナチュラルで肌に優しいイメージですが、植物によっては肌に合わない方もいるので、肌が敏感という方は必ずパッチテストをするなど、使用前に注意することが必要です。
合成セラミド
合成セラミドとは、石油原料から化学合成され作られたセラミドです。「疑似セラミド」とも呼ばれ、今回紹介しているキュレルの保湿クリームに配合されているセラミドもここに分類されます。
低価格で、大量生産できるので、プチプラコスメによく使われています。
キュレルは疑似セラミドという合成セラミドが配合されているので、正直に言うと、セラミドを補ってくれる力はありません。
【医師監修】セラミドの種類~乾燥肌・敏感肌におすすめなのは?~乾燥肌や敏感肌に必要なのは「ヒト型セラミド」
乾燥肌や敏感肌のケアにおすすめのセラミドは?というと、人間のセラミドと同じ構造の「ヒト型セラミド」です。
ヒト型セラミドは、肌になじみやすく、セラミド不足で乱れた角質層に浸透して、お肌を健康な状態に整えてくれます。
ヒト型セラミドの成分表示は、「セラミド+数字」または「セラミド+アルファベット」で表示されています。
下記の記事に、ヒト型セラミド、またはセラミドの産生量が増える成分を配合している、おすすめのセラミドクリームを紹介しています。参考にしてみてくださいね。
セラミドクリームおすすめ13選!乾燥肌・敏感肌向け正しい選び方も!まとめ
セラミド配合で高保湿なイメージのキュレルですが、実際に配合されているのは、一番保湿効果が低いと言われている「疑似セラミド」でした。
広告のイメージで選ぶのではなく、お肌悩みに合った成分が配合されているのか?きちんと見極めて選ぶようしたいですね^^