生理痛がひどくお悩みの方や旅行などのイベントに合わせて生理を止めたいと想っている方もいらっしゃるのではないでしょうか？
そこでこの記事では生理を止める方法についてご紹介します。
ぜひ最後までお読みください。
生理を止める方法を知る前に
「生理が来なければいいのに」と感じている人は多いかもしれませんが、実際には永続的に生理を止めることは難しいとされています。
ここでは、生理を止める方法を知る前に理解しておくべき情報を紹介します。
基本的に生理は止められない
基本的に生理を止めることは不可能です。避妊リングや注射薬など、一部の例外はありますが、これらの方法は主に治療や避妊を目的としており、生理を止めるためのものではありません。
一時的に生理を遅らせることは可能
一般的には、生理を継続的に止めるのは現実的ではありませんが、一時的に生理を遅らせることは可能です。多くの場合、「ピル」がその手段として利用されます。ピルを使うことで、生理日を調整することができます。
身体への負担に注意
生理を止める方法として一般的に知られているものは、身体に負担がかかることがあります。過激なダイエットや激しい運動は体にストレスを与えるため、必ずしも生理を確実に止めるわけではありません。そのため、これらの方法は適切ではありません。
生理中は体調が変わることが多いので、激しい運動や長時間の運動は避けた方が良いでしょう。立ちくらみやめまいによる転倒や怪我に注意し、経血量が多い時や生理痛がある時には無理をしないことが大切です。
生理を止める方法
生理を止める方法はいくつかあります。以下に代表的な方法を紹介します。
ピルを服用する
超低用量ピルを飲むことで、一時的に生理を止めることが可能です。中には、通常のピルとは異なり、120日間連続で服用できるものもあります。この薬を飲んでいる間は生理がこないため、生理を4ヶ月に1度に減らすことができます。
超低用量ピルを使うことで、生理のタイミングを自分の都合に合わせて調整することができ、また、生理が軽い消退出血として現れることが多いです。
大豆製品を摂る
豆乳などの大豆製品には、大豆イソフラボンが豊富に含まれています。この成分は、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きを持ちます。
大豆イソフラボンを摂取することで、ホルモンバランスが整い、その結果として生理周期が安定します。生理周期が長くなることで、生理が遅れることもあります。
生理薬を利用する
生理を遅らせるためには、ピルや黄体ホルモン剤を使う方法が一般的です。市販の薬の中にも、生理を遅らせる効果が期待できるものがあります。ただし、食事や漢方、ツボ療法で生理を遅らせることは難しく、そのような情報は一般的に信頼性が低いとされています。
もし薬の副作用でひどい吐き気がある場合は、注射で一時的に生理を止める方法も考えられますが、注射は通常1週間ごとに行うため、長期旅行などには向いていません。
生理を止めるためにピルをおすすめする理由
生理を止める手段としてピルが推奨される理由はいくつかあります。以下で具体的に説明します。
生理日を調整できる
ピルを服用することで、生理日を自在に変更することが可能です。多くの人が低用量ピルを避妊やPMSの緩和に使うイメージがあるかもしれませんが、実際には生理日をずらすこともできます。ただし、普段から低用量ピルを使用している方は、その調整方法が異なるため注意が必要です。
医師の処方による安全性
ピルは医師の診察を受けて処方箋をもらった後に入手するのが望ましいです。忙しい方は個人輸入を考えるかもしれませんが、これはおすすめできません。海外からの個人輸入ピルは、成分や効果が保証されていないため、偽薬や有害な成分が含まれている可能性があります。体調に異常が出た場合の対応が難しいため、個人輸入は避けるべきです。
副作用には注意が必要
ピルを初めて服用する際は、副作用が出ることがあります。これはホルモンバランスが変化するためです。主な副作用には以下のようなものがあります。
- 吐き気
- 眠気
- 腹痛
- 不正出血
- 胸の張り
- 体重増加
- 気分の落ち込み
ただし、これらの症状は多くの場合一時的であり、1〜3ヶ月の服用を経ることで女性ホルモンのバランスが整い、症状が改善されることが一般的です。もし3ヶ月以上服用しても副作用が続いたり悪化したりする場合は、ピルとの相性が原因かもしれません。この場合は、ピルの種類を変更するか、副作用に対する適切な対策が必要です。
ピルを服用すると生理にどんな影響がある？
ピルを服用することで、いくつかの生理に関連する効果が得られます。具体的には、生理日を調整したり、生理周期を安定させたり、また生理痛やPMSの症状を和らげることができます。ただし、ピルを飲んだからといって生理が完全に止まるわけではありません。
生理日の調整
ピルを使うことで、自分の都合に合わせて生理日を変更することが可能です。具体的には、休薬期間を調整することで生理を早めたり遅らせたりできます。これは、ピルに含まれるエストロゲンやプロゲステロンといったホルモンの働きによるものです。
生理周期の安定化
ピルの服用により、生理周期がより規則的になります。通常、ピルを飲み終えた後の2〜3日以内に生理が始まり、約5日間続くことが一般的です。このため、生理周期が不安定な女性にとっては、ピルが有効な選択肢となるでしょう。
生理痛の軽減
ピルは生理痛を軽減する効果も期待できます。通常の生理では子宮が収縮し、痛みが生じますが、ピルに含まれるホルモンが子宮内膜の増殖を抑制するため、痛みが和らぐことが期待できます。
生理を止めるメリットとデメリット
ピルを服用することには多くのメリットがありますが、生理日がずれることによるデメリットも存在します。これらのメリットとデメリットを理解した上で、ピルの服用を検討することが大切です。
生理を止めている状態とは
ピルを使用することで生理日を遅らせたり早めたりすることができ、これを「月経移動」と呼びます。例えば、旅行や特別なイベントと生理が重なる場合などに便利です。しかし注意点として、避けたい期間中もピルを継続的に服用する必要があります。また、生理の移動は必ずしも思い通りにできるわけではなく、出血が見られる場合は早めに医師に相談することが重要です。
メリット
生理を止めることによるメリットには、以下のような点があります。
旅行の計画が立てやすくなる
生理周期が安定することで、旅行の日程を組みやすくなります。また、大事な仕事やイベントがある時に日程を調整できるのも大きなメリットです。
生理痛の改善
月経量が約1/3（ナプキン約10枚分）に減少するため、生理痛を軽減できます。これにより、子宮内膜症の進行を抑えたり、貧血を改善する効果も期待できます。また、ホルモンの変化をコントロールすることで、PMS（月経前症候群）の症状を和らげることができます。
生理の煩わしさが軽減される
ピルを服用することで、生理を規則的にする、遅らせることが可能です。自分のライフスタイルに合わせて、生理を調整することができるため、煩わしさから解放されるでしょう。
デメリット
生理を止めることには以下のようなデメリットもあります。
副作用の可能性
吐き気や頭痛、むくみなどの副作用が現れることがありますが、通常は内服開始後1ヶ月以内にほとんど消えるとされています。
妊娠の可能性への影響
MEA（マイクロ波子宮内膜アブレーション）などの治療法では、子宮内膜が壊死することで妊娠が難しくなる可能性があります。また、卵管の近くも焼灼するため、妊娠の可能性は低くなることが多いです。このため、MEAの対象者は「妊娠希望のない方」に限られることが一般的です。
費用がかかる
ピルの費用は月に約2,000円～3,000円程度かかることがありますが、オンラインクリニックを利用すれば自宅で簡単に処方してもらえる方法もあります。
これらのメリットとデメリットをよく理解し、自分に合った選択をすることが大切です。
生理を止める薬以外の方法
避妊や月経周期を調整する方法として、ピルを考える方が多いですが、次のような方にはピル以外の方法を検討することをおすすめします。
- 服用を忘れがちな方
- 数年間妊娠を希望しない方
ここでは、生理を止める薬以外の方法について詳しく見ていきましょう。
避妊リング（ミレーナ）
避妊リングは「リング」とも呼ばれ、子宮内に挿入されるT字型のデバイスです。サイズは約32mmで、プラスチックで作られています。このリングの特徴は、T字型の縦部分に黄体ホルモンが付加されているため、ピルのように飲み忘れる心配や血栓症のリスクがほとんどありません。
避妊リングを抜去すれば妊娠も可能で、主に避妊の目的で使われますが、生理痛や月経量の多さなどの改善にも効果があります。2014年からは、月経困難症や過多月経の治療として保険適用になりました。
対象者
避妊リングが適しているのは、以下のような方です。
- 経膣分娩の経験がある方
- 次の妊娠までに時間を置きたい方
- 月経困難症に悩んでいる方
- 過多月経に苦しんでいる方
- ピルが服用できない方（副作用が気になる、血栓症リスクが高い30代後半以上、BMI30以上など）
効果
避妊リングは、レボノルゲストレルという黄体ホルモンを含んでおり、子宮内膜を薄くし受精を防ぎます。また、子宮の入り口の粘液を変化させ、精子の侵入を妨げます。正しく使用すれば、ピルに近い避妊効果が得られ、効果は約5年間持続します。
治療後の状態
通常、避妊リング挿入後1〜2ヶ月でエコー検査を行い、位置を確認します。その後は3ヶ月から半年ごとに確認し、安定していれば年に1回、子宮頸がん検診と一緒に位置をチェックします。
偽閉経療法
偽閉経療法は、女性ホルモン（エストロゲン）の分泌を抑え、生理を止める治療法です。主に子宮内膜症などの病気治療に用いられます。GnRHアゴニストを使用し、下垂体と卵巣の機能を抑制します。
対象の病気
偽閉経療法が適応される病気は以下の通りです。
- 子宮筋腫
子宮にできる良性の腫瘍で、強い生理痛や経血量の増加が特徴です。妊娠しづらいこともあり、30歳以上の女性に多く見られます。
- 子宮内膜症
子宮内膜が異常な場所にできる病気で、強い生理痛や下腹部痛、腰痛を伴います。妊娠可能な年代の女性の5〜10%が影響を受けています。
- 子宮腺筋症
子宮内膜が筋層に侵入する病気で、骨盤痛や経血の増加が見られます。40代に多く、エストロゲンの増加により症状が悪化します。
対象者
偽閉経療法は、以下のような方に適しています。
- 40代後半以降の方
閉経が近い方は、この療法が適応されます。病気が治癒するまでの期間、治療が行われます。
- 手術を予定している方
病変部を小さくするために、一時的にこの療法を行うことがあります。
副作用
偽閉経療法には以下の副作用があります。
- 更年期症状
閉経に近い状態を作るため、ほてり、頭痛、めまいなどが出ることがあります。
- 骨粗しょう症
エストロゲンが低下すると、骨の新陳代謝に影響を与え、骨粗しょう症を引き起こす可能性があります。
- 不正出血
治療開始後、しばらく不規則な出血が見られることがあります。
MEA（マイクロ波子宮内膜アブレーション）
マイクロ波子宮内膜アブレーション（MEA）は、過多月経を改善する治療法です。細い器具を用いて子宮内にマイクロ波を照射し、子宮内膜を壊死させることで出血量を減少させます。2012年から保険適用となっており、子宮筋腫や子宮腺筋症による過多月経に使用されます。
対象の病気
MEAの対象者は以下の通りです。
- 子宮筋腫による月経過多の方
- 手術を希望しない方
治療後の状態
術後は1週間後に検診を行い、経過を確認します。手術後は水っぽいおりものが数週間続きますが、通常2〜3週間で改善します。この期間はシャワーを浴びることはできますが、性行為は避けることが推奨されます。
まれに手術後4週間以上経過した後に細菌感染が起こることがあるため、異常なおりものや下腹部の痛みがある場合は早めに受診することが大切です。
生理を止める前に病気の可能性を考慮する
経血量には個人差がありますが、その増加が病気によるものである可能性もあります。したがって、生理を止める前に病気の可能性を考えることが重要です。以下では、経血量に関連する病気について詳しく見ていきます。
子宮の病気
子宮に関する病気には、以下のものがあります。
子宮筋腫
子宮筋腫は、子宮の平滑筋内に発生する良性腫瘍で、転移することはありません。ただし、子宮内に複数できることがあり、徐々に大きくなる場合があります。子宮筋腫は経血量の増加や慢性的な貧血を引き起こすことがあり、特に20～40代の女性において貧血の主要な原因の一つです。また、着床障害を引き起こし、不妊の要因ともなり得るため、注意が必要です。
子宮腺筋症
子宮腺筋症は、通常は子宮内で成熟すべき内膜が子宮外の部位や筋肉内で成熟してしまう病気です。この病気は、下腹部痛や性交時の痛みを伴い、特に排卵期に症状が強くなるのが特徴です。また、強い生理痛や経血量の増加も見られます。
ホルモンが関与する病気
ホルモンに関連する病気には、次のようなものがあります。
更年期障害
女性ホルモンの急激な変化によって、全身にさまざまな症状が現れる状態を更年期障害と呼びます。この障害ではホルモンバランスの乱れにより、以下のような症状が見られます。
- 子宮内膜の過剰増殖
- 月経周期の乱れ
- 月経の頻発や持続期間の延長
さらに、自律神経の症状や動悸、発汗、めまい、気分の変調（抑うつやイライラ感）なども特徴的です。
多嚢胞性卵巣症候群
卵巣に多数の嚢胞が形成され、卵巣表面が硬くなり排卵障害を引き起こす病気です。男性ホルモンの分泌が増加し、以下のような症状が現れることがあります。
- 月経周期の乱れ
- 肥満
- にきび
また、エストロゲンとプロゲステロンのバランスが崩れることで、子宮内膜が過剰に増殖することが特徴です。
出血が増える病気
血液には止血効果を持つ血小板や、凝固を促進する因子が含まれています。しかし、白血病や血小板減少性紫斑病などの病気では、血小板や凝固因子が減少し、出血が止まりにくくなることがあります。これにより経血量が増加することがあります。さらに、頻繁な鼻血や原因不明のアザが見られることもあります。重篤な症状には、胃潰瘍や出血性腸炎、脳出血などがあります。
これらの病気を考慮しながら、必要に応じて医師に相談することが大切です。
生理が早めに止まる病気について
生理が早く止まる病気の一つに「早期閉経」があります。これは、40歳未満で自然に閉経を迎え、月経がなくなる状態です。早期閉経になると、卵巣からのエストロゲンの分泌が極端に減少することがあります。
早期閉経の種類
早期閉経には主に以下の2つのタイプがあります。
- 早発卵巣不全
卵子が完全に消失してしまう状態。
- ゴナドトロピン抵抗性卵巣症候群
卵子は存在するが、排卵が起こらない状態。
早期閉経は、30歳未満では約1000人に1人、40歳未満では約100人に1人の割合で発生するとされています。
妊娠の可能性
早期閉経の患者さんの自然妊娠率は一般的に低いものの、約5〜10％は妊娠する可能性があるとされています。ピルを服用していないのに生理が止まっている場合は、注意が必要です。
生理を止める効果がないもの
生理を止める効果がないものには、以下のようなものがあります。詳しく見ていきましょう。
市販の生理薬
市販の生理薬は月経中の症状を軽減するために有効ですが、生理を止めるための効果的なものはほとんどありません。
確実性がないとされる方法
生理を止める効果が期待できるものは、残念ながらほとんどありません。生理を遅らせる効果があるとされる食品にはレバーなどがありますが、医学的な裏付けはなく、確実性はありません。
しかし、板チョコには、生理日をずらす効果が期待できるとされています。チョコレートに含まれるカカオにはリラックス効果があり、その主成分であるテオブロミンがその役割を果たしています。ストレスによって生理が遅れることがあるため、リラックスすることで生理を少し早められる可能性があります。
また、チョコレートには子宮収縮を促す作用もあると言われており、生理を早める可能性があります。ただし、チョコレートは糖分を多く含んでいるため、食べ過ぎると体を冷やし、血流を悪化させることがあります。その結果、女性ホルモンの分泌が抑えられることもあるので、適量を守ることが重要です。
生理の調整を希望する場合は、専門の医師に相談するのが最も安全で効果的です。
生理痛を和らげる方法
生理痛を和らげる方法はいくつかあります。以下にその代表的な方法を紹介します。
薬を服用する
NSAIDs（非ステロイド性抗炎症薬）は、生理痛の緩和に一般的に使用される薬です。この薬は効果が高いとされていますが、空腹時に服用したり、長期間連用すると胃を傷める恐れがあります。潰瘍ができたり、最悪の場合は胃に穴が開くこともあるため、使用には注意が必要です。
漢方を利用する
漢方薬も生理痛に対してよく用いられます。代表的なものには、当帰芍薬散（とうきしゃくやくさん）や加味逍遥散（かみしょうようさん）があります。処方を受ける際は、自分の体質に合った漢方薬を選ぶことが大切です。漢方に詳しい医師や専門の薬局で相談してみましょう。
身体を温める
生理痛を和らげるために、以下の方法が効果的です。
- ひざ掛けを使って体を冷やさない
- しょうが入りの甘酒など、温かい飲み物を摂取する
これらの方法を試してみると良いでしょう。
マッサージやツボ押し
生理中は安静が必要と思われがちですが、軽い運動は血行を促進します。ストレッチやマッサージを行うのもおすすめですが、痛みが強いときは無理をしないようにしましょう。また、ツボ押しも手軽にできて、痛みの軽減につながることがあります。
すぐ届くアフターピルとその効果
アフターピルは、予期せぬ妊娠のリスクを減少させるための緊急避妊薬です。アフターピルにはさまざまな種類があり、それぞれ異なる特性や効果を持っています。
すぐに入手できるアフターピルの種類
アフターピルには主に「ヤッペ法」と「レボノルゲストレル法」の2つがあります。
- ヤッペ法
中用量ピルを基にしており、指示された時間に2錠を2回摂取する方法です。
- レボノルゲストレル法
通称「ノルレボ」というアフターピルを使用し、性的接触後72時間以内に1錠を摂取します。ノルレボはヤッペ法よりも高い避妊効果が期待されています。
さらに、「エラワン」というアフターピルもあり、これは摂取から120時間以内でも高い避妊効果を持つとされています。
アフターピルの効果
アフターピルは、性的接触後でも避妊効果を発揮する薬です。主な機能は、排卵の遅延と子宮内膜の成長抑制により妊娠を防ぐことです。
具体的には、排卵前にアフターピルを摂取することで排卵が遅れ、避妊効果が得られます。また、子宮内膜の成長を抑えることで、排卵と受精が既に行われていた場合でも、受精卵の着床が難しくなり、妊娠の進行が阻害されます。
生理を止める方法のまとめ
生理を止めるためには、生理をずらすことができるピルがおすすめです。
しかし、副作用等のリスクを理解した上で服用することが大切です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
